出版社内容情報
慶応四年(1868)5月の上野戦争で、江戸の全市民から熱狂的エールを受けながら、新政府軍のアームストロング砲の前に一日で敗退したと片づけられてきた彰義隊。
徳川王朝の滅亡に際し、恭順を拒み、西から侵攻した新政府軍に剣をとって立ち向かい義に殉じた江戸の幕臣、譜代藩臣には10代の御曹司も混じってはいたが、組織、装備ともに整った佐幕連合軍で、伝えられるような烏合の衆ではなかった。明治期のマスメディアで「幕末の花」と謳われるも、その後長きにわたり官軍史観によって幕末維新史の彼方に葬り去られ栄光を奪われた。
彰義隊の歴史、隊士をはじめ、関連人物の人間像、そして映画・演劇・絵画などにおける受容などを幅広く紹介。さらに生存者と子孫の証言や一次資料、関連史料を解析し事実と照合。彰義隊を扱った作品は多いが、多面的かつ本格的に俯瞰するものは少ないなか、改めてその実態と全貌に迫る待望の書!
内容説明
彰義隊史不朽の金字塔とされる山埼有信『彰義隊戦史』から百余年―。後世に残る史書とすべく子孫、研究者22名が参加。新知見を加え、写真、図版200点余を駆使して彰義隊を可視化した永久版!慶応四年(1868)5月の上野戦争で、江戸の全市民から熱狂的エールを受けながら、新政府軍のアームストロング砲の前に1日で敗退したと片づけられてきた彰義隊。組織、装備ともに整った佐幕連合軍で、伝えられるような烏合の衆ではなかった。隊の歴史、隊士、縁者の人間像、そして映画・演劇・絵画への波及などを幅広く紹介。さらに生存隊士と子孫の証言や一次史料、関連資料を解析し事実と照合。その実態と全貌に迫る待望の書!
目次
第1部 彰義隊の歴史(彰義隊の予備知識;上野戦争の実際;彰義隊の祭祀)
第2部 彰義隊の群像(彰義隊の人々;彰義隊の関係者)
第3部 彰義隊の波及(彰義隊と江戸文化;彰義隊とドラマ)
第4部 彰義隊の諸相―シンポジウムのパネリスト意見(寛永寺碑記―明治政府による検閲の実態;薩摩から見た彰義隊;彰義隊の若者たち―映画『合葬』の政策意図;彰義隊の心意気;彰義隊異聞;風刺錦絵に描かれた彰義隊;長州から見た彰義隊;彰義隊の武士道)
第5部 彰義隊の蝦夷―箱館戦争彰義隊戦記
付録
著者等紹介
大藏八郎[オオクラハチロウ]
昭和24年(1949)生。東京大学法学部卒業後、東洋エンジニアリング(株)で法務、知的財産、ライセンス等担当。2000年(株)エフテックに転じカナダ、アメリカの現地法人勤務。2011年本社に帰任し法務グループ設立。エフテック退職後、私立大学講師(国際ビジネス講座)、全国中堅企業を海外進出支援。現在、市川総合研究所代表理事、(株)技研製作所法務顧問として活動する傍ら「彰義隊子孫の会」事務局、「万延元年遣米使節子孫の会」監事、「柳営会」会員として幕末明治維新史の研究に従事。2018年暮れに東大安田講堂で彰義隊の有識者8名を招聘しシンポジウム「彰義隊の上野戦争―明治150年に考える」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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