内容説明
個人資料集としては世界有数の存在である『渋沢栄一伝記事料』全68巻は、渋沢敬三の「必要とする人に自由に使ってもらう」という発意と財政的支援によって編纂が進められた。また敬三は、渋沢栄一の事績を歴史の文脈に置くため、経済・産業が発展する経過を物語る実業史博物館を構想し、その創設を図っていた。これらの事業は、「竜門社」(現・渋沢栄一記念財団)を通じて行われた。当事者の日記や竜門社の諸資料を精査、アーカイブズ構築、文化資源化、社史・実業史研究の知見に満ちた渋沢敬三の人間像を浮き彫りにする。
目次
第1章 渋沢栄一永眠と竜門社(晩年の渋沢栄一と敬三(1909~1930年)
栄一永眠(1931年) ほか)
第2章 第2次伝記資料編纂と日本実業史博物館計画(1)(第2次伝記資料編纂の開始(1936~1937年度)
日本実業史博物館建設計画(1937~1938年度) ほか)
第3章 第2次伝記資料編纂と日本実業史博物館計画(2)(博物館準備室と竜門社運営(1940~1941年度)
「伝記資料」全体構成の確定(1940~1941年度) ほか)
第4章 第2次伝記資料編纂と日本実業史博物館計画(3)(博物館開館準備と断念(1943~1944年度)
伝記資料刊行開始と中断(1943~1944年度) ほか)
第5章 昭和戦前期竜門社運営と渋沢敬三(敬三における伝記資料編纂と実業史博物館計画の意味;昭和戦前期竜門社における敬三の意義)
参考資料
著者等紹介
大谷明史[オオタニアキノブ]
1934年生まれ。早稲田大学第一商学部卒。三井銀行(後にさくら銀行)勤務。行史、史料集等の編纂に関与。多年、企業史料協議会理事を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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