内容説明
カミとホトケの関係を多角的に捉えなおす。多面性を持つ「神仏習合」という現象はいかなる論理的枠組みで説明することが出来るのか―神仏関係を中心に、古代から現代まで、様々な場面で交錯し合う諸宗教のあり方を捉えなおし、新たな日本宗教史の構築を目指す。
目次
第1部 神と仏の関係(神仏関係の位相―神道の形成と仏教・陰陽道;平安時代前期における神仏隔離の制度化と宮廷仏事;石清水八幡宮の勧請と八幡神像―童子神信仰の前提として)
第2部 習合とは何か―範疇、理論、用語(二つが一つになるということ―宗教研究における「シンクレティズム」の意味と用法について;「仏教」理論の複合性―安然の声論をめぐって;日本古代における「神道」の語の受容と展開)
第3部 習合の諸相(本地垂迹の近世―ヒトガミ信仰という視座から;江戸期里修験の活動における習合的儀礼―甑岳修験道の線香護摩から;東北前沢における疫神鎮送の山鉾祭―民間御霊会終焉の一事例)
第4部 習合思想の展開(江戸時代前期の曹洞宗における白山信仰;江戸時代の習合思想―潮音道海の神道説をめぐって;大英博物館蔵の三種の神器図―神仏習合美術と十九世紀イギリスにおける日本的シンクレティズム理解)
著者等紹介
ドルチェ,ルチア[ドルチェ,ルチア] [Dolce,Lucia]
1964年生。ロンドン大学アジア・アフリカ学院(SOAS)准教授、日本宗教センター所長。専門は日本宗教史、仏教学
三橋正[ミツハシタダシ]
1960年生。明星大学人文学部教授。専門は日本宗教史、古記録学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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