目次
序章 近代と近代化についての、ささやかな論考
自由劇場における「近代」―日本の独立劇場運動
モスクワの小山内薫―モスクワ芸術座の衝撃
ベル・エポックのパリ―バレエ・リュス体験
自由劇場以後―古劇研究会からの再出発
幻の『蝙蝠座』覚書―マックス・ラインハルト再評価
表現主義の時代へ―築地小劇場論争はどうして起こったか?
改作『国性爺合戦』の上演まで―新しい国劇の構想
冬のモスクワ 1927年―メイエルホリドとの出会い
終章 芸術劇場か、政治劇場か―晩年の苦難の選択
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mstr_kk
3
けっこう自由に(学術論文っぽくなく)書かれているところもありますが、すばらしい密度の一冊でした。「翻案ではなく翻訳を」と、海外戯曲の本格的導入として自由劇場を始めた小山内薫が、ロシア・ヨーロッパ旅行で「戯曲から独立した演劇の価値」に目覚め、日本で20世紀演劇を確立するために奮闘する、というのが本筋です。リアリズム一辺倒の演劇人だと思われていた小山内薫が、本当は反リアリズムのアヴァンギャルドだったことも、多くの根拠をもとに示されます。世界的な文脈の中に位置づけることで、小山内の実像に迫っています。2022/09/27
mstr_kk
2
読書会のために再読し、レジュメをブログにまとめました。https://kiyosuekohei.seesaa.net/article/492048720.html2022/10/03
のほほんなかえるさん
0
小山内薫は時代の中に生きた男だった。純粋な演劇を求めて戦った人生。西欧で見たものは演出家の時代の到来。プロレタリア演劇前夜の死。2010/12/27