内容説明
王朝が雅び・中世の動乱。その時々を生きた女性の息づかいを今に伝える女流日記の古典。豊かな文学性と作者の人生を現代の視点から解き明かす。
目次
女流日記文学の本質
女流日記文学の世界
女流日記文学の史的展開
女流日記文学の古代と中世
贈答の持続―王朝日記の恋歌
女流日記文学と私家集
日記文学における時間―回想・他者・語り
日記文学の和歌
王朝女流日記文学の喪失と成熟
平安女流日記文学の自然―疎外された自然・蜻蛉日記の「水」と「火」
女流日記文学の回想表現
女流日記の文体と機能
女流日記文学における会話文
女流日記における父親像―『とはずがたり』を中心に
女流日記文芸における家族圏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
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長期間にわたってだらだら読んでしまったので、あんまり内容が頭に入ってこなかった。全体的に、様々な方法を使って、女流日記一般の特色や、個別の作品の特色などについて言及しているのが面白かった。讃岐典侍日記について読みたかったけれども、やはり蜻蛉日記や紫式部日記などが中心になっていたのはちょっと残念だ。一方でたけむがきなどかなり広く扱ってもいたと思う。蜻蛉日記において、その色彩や天候が状況と結びつていいるという論や、土佐日記に日付の書き方がまさに漢文日記に近いという指摘などが個人的には印象に残っているところだ。2013/08/12