内容説明
ナチスの強制収容所における体験を綴った名著『夜と霧』の著者であり、「生きる意味」を見出していく心理療法、実存分析(ロゴセラピー)の創始者であるビクトール・フランクルが読者に熱く語りかける「魂」を鼓舞するメッセージ。「強制収容所での体験」「愛すること」「生きることの“むなしさ”」「人生の“苦しみ”」「生きる意味」「仕事」「幸福」「時間と老い」「人間」「神」について、フランクルの言葉を選り抜いて紹介する。
目次
第1章 強制収容所での体験
第2章 愛することについて
第3章 生きることの「むなしさ」について
第4章 人生の「苦しみ」について
第5章 生きる意味について
第6章 仕事について
第7章 幸福について
第8章 時間と老いについて
第9章 人間について
第10章 神について
第11章 生きるのがつらい人へ―心理療法的助言と苦しみへの対処法
著者等紹介
諸富祥彦[モロトミヨシヒコ]
1962年、福岡生まれ。筑波大学、同大学院博士課程修了。千葉大学教育学部助教授を経て、明治大学文学部教授。教育学博士。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会理事、臨床心理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
銀の鈴
15
森田療法に通ずる部分あります。「自分」をみつめることをやめ、他のものに意識を向けかえること。病気をみつめすぎないことって大切なことなんだなと思うけど、かといって、逃避するのも違うんだろうな。抜粋版のためか、もやもやが残って、読了。2017/04/03
しょうじ@創作「熾火」執筆中。
11
【1回め】率直に言って、『夜と霧』本編を読んでおけば取り立てて読む必要はないと感じた。70%を読んだ時点で、読了扱いとした。2019/07/06
ベル
5
【ナチス⑬】米原万里の本に『打ちのめされるようなすごい本』という書評集がありますが、自分にとっての〝打ちのめされた本〟の筆頭は、フランクルの『夜と霧』です。読んだのは20年以上前ですが、その時の衝撃は今でもよく覚えています。◆本書は、そんな彼の著作から選りすぐりの言葉を紹介する名言集です。私には、第3章『生きることの「むなしさ」について』がとても印象的でした。不自由のない生活の中でも〝人生ってこんなものか〟〝このまま俺の人生は終わるのかな〟という「むなしさ」を感じたことのある方にはオススメだと思います。2016/01/30
kuroro
4
生きる事の意味を考える。私的には、一旦、意味なんてあるはずないというマイナスサイドに気持ちに振り切って全てを諦めて無くす。その後、何もない所から再度自分でその意味を掴み取る。もしくは作り出す。みつける。守る。そういう脳内シュミレーションをすると理解出来たような気がした。うまく言えないけど。貧すれば鈍すって言う言葉があるけど貧しても鈍しない人もいるし、それが大切って事。2019/08/22
青色
4
『夜と霧』を読んでみようと思いながらなかなかその機会がなかったので、その導入になればと思って読んでみた。装丁が綺麗。あとがきにあった、先の先まで見えてしまう虚しさ?を表現した「透明な絶望」って言葉が印象に残った。『意味への意志』も読んでみたくなった。「人間は生きる目的を知らない時、それだけ生活のテンポを速めるしかない」(73頁)すごく示唆に富むフレーズ。2016/02/07