新潮文庫
瑞穂の国うた―句歌で味わう十二か月

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  • サイズ 文庫判/ページ数 381p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101273310
  • NDC分類 911.04
  • Cコード C0195

出版社内容情報

お正月、桜、蜩の声。思わず口ずさみたくなる、日本の美を捉えた古今の名句、名歌。『折々のうた』の著者による至福の歳時記。

大きな節目を皆でいっせいに迎える、おごそかでめでたいお正月。日本人の美意識に深く根差した桜の花。夏にかかせぬ青空に響く蜩(ひぐらし)の声。実りの秋に詠まれた恋。孤独な心に滴る酒――。詩情あふれる言葉で書きとめられた、時を経ても変わることのない日本人の心、そして芭蕉、子規、漱石、虚子についての珠玉の論考。古今の名句・名歌に彩られた、『折々のうた』の著者による至福の歳時記。

内容説明

大きな節目を皆でいっせいに迎える、おごそかでめでたいお正月。日本人の美意識に深く根差した桜の花。夏にかかせぬ青空に響く蜩の声。実りの秋に詠まれた恋。孤独な心に滴る酒―。詩情あふれる言葉で書きとめられた、時を経ても変わることのない日本人の心、そして芭蕉、子規、漱石、虚子についての珠玉の論考。

目次

芝生の上の木漏れ日(一月―齢を重ねる;二月―つぶらかな声;三月―交替する時間;四月―桜は「生命力」;五月―いい風の吹くことよ ほか)
虹の橋はるかに…(芭蕉の臨終;正岡子規の頭脳;アンソロジストの系譜;子規と漱石の友情;漱石のアイディアとレトリツク;俳人・漱石の魅力;愉快な虚子)

著者等紹介

大岡信[オオオカマコト]
詩人、評論家。1931(昭和6)年静岡県三島市に歌人大岡博の長男として生まれ、中学時代から作歌・詩作を行う。東大国文科卒。読売新聞社外報部記者を経て、明治大学、東京芸術大学で教鞭を執る。’79年から朝日新聞に連載した「折々のうた」で菊池寛賞を受賞。’95(平成7)年恩賜賞、日本芸術院賞受賞。’96年朝日新受賞。’97年文化功労者。2003年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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nightU。U*)。o○O

2
文章にめずらしい親しみと緩急があると思えば口述筆記なのだそう。たしかに挙げられる例はいままでに幾度となく口頭にのぼったことを思わせる慣れがあった。12か月のほうよりも子規や虚子を扱ったものに面白い分析が働いている。2016/05/24

あさ

2
歳時記のように月ごとの句を紹介しながらその季節の空気を味わうような構成に惹かれて。後半はがらりと違って芭蕉、子規、漱石、虚子を巡るエッセイ。語りかけるような調子は共通。2014/01/01

石川さん

2
日々暮らしている感覚で日本がすごいとか、日本人に生まれてよかったと思えるのは、それはそれで素晴らしいことかもしれないけれど、やっぱり最小限のバックボーンくらいないとね。2013/04/06

夕木 

1
こうして月ごとに名句を味わうことができるのは、素晴らしい鑑賞者がいるお陰なのですね。とにかく、大岡さんの眼は素敵です。たとえば、芭蕉の「物いへば唇寒し秋の風」を、小津映画にでる人たちが大声を出して物を言わないという観点と結びつけて語っています。喜びであれ悲しみであれ人に分かるような感じで表さない、つまり重厚かつじわっと滲み出てくるような喜びや悲しみが小津映画、広く言えば日本人の魅力なのだ、と。2014/01/09

donky

0
さすが「折々のうた」の著者ならではの名解説です。俳句、短歌いずれも秀れた句歌をとりあげ、本質に迫る詩心を満喫させます。特に感心しましたのは、子規の詩人としての天才ぶりを分析した文章です。著者自身がその詩魂に挑むからなのでしょう。漱石と子規の句でのやり取り、とても面白く、漱石作品の文体や構想力に子規がいかに大きな影響を与えたかも教えます。名著です。2014/05/26

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