内容説明
女子高の生物教師・吉本誠一は教え子・恵美の誘惑に乗った。少女の一途な情熱と好奇心に屈したのだ。思春期の成熟しはじめた肉体は恥じらいに悶えながら、縛られ弄ばれる快楽に目覚めていく。だが、保健室の養護教諭・郁子先生が二人の関係に気付いてしまった。口封じのために対決した誠一は、狂おしい欲望に身を焦がす美貌の郁子先生をも従順な性奴隷に仕立て上げていく。そして恵美の後輩である無垢なる美少女京子も―。倒錯文学の名匠が華麗に紡ぎだす学園エロスの衝撃作!!
著者等紹介
千草忠夫[チグサタダオ]
『奇譚クラブ』の読者懸賞小説に応募し、1960年に「雌雄」でデビュー。以後、数々の雑誌において「九十九十郎」「珠洲九」「乾正人」などの筆名で次々と話題作を発表。「千百蘭」の名でイラストも描いた。三五年間の執筆活動で中短編(二〇〇枚未満)三三〇、長編一二〇以上という旺盛な執筆活動を展開。1995年1月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とうくぼやかや
2
女子校の同窓会で、かつての教え子との再会から過去を回想し、歳月を経て思いもよらない夢の続きに酔いしれたあと、いつもの現実に戻っていく寂寥感。発表から何度も再版されるのもうなづける、普遍的な物語がそこにあるのだと思います。たしかに言い回しは古臭いところがあるけれど、とくに体験してきた年代には、その記号がキャラクターの立場や性格を明確にイメージさせることができる要因になりえていて分かりやすいのです。2014/05/03
hirotsugu1967
0
73年にSMコレクターに掲載された短編「汚れた教室」に後半を加筆し、90年に「漁色の保健室」として発売されたものの改題文庫版。 まとまりがよくて現在でも十分楽しめる傑作。2023/02/28