内容説明
天上から天降った神の子の血筋を継承した一系の神聖天皇の統治する日本国―この信念は、敗戦によって一瞬にして崩壊してしまった。そこで、天皇とは一体何であるのかという疑問が生じた。その疑問に対して著者は〈三王朝交替説〉と呼ばれるもので解明した。天皇が万世一系といわれるのは、天照大神や、初代の神武天皇からではなく、継体天皇以後のことで、それまでに、崇神―仲哀、(応神)仁徳―雄略(飯豊)の二つの互に血統を異にした天皇の王朝が交替していたというものである。本書では、この〈三王朝交替説〉を具現しながら、統一王朝〈大和王朝〉が成立するまでの謎を追っていく。
目次
第1章 崇神王朝成立の謎―最初の天皇はだれか
第2章 仁徳王朝成立の謎―征服王朝の謎
第3章 仁徳王朝消長の謎―東国経略の謎
第4章 仁徳王朝の末路―征服王朝崩壊の謎
第5章 継体王朝成立の謎―統一王朝成立の謎