内容説明
「時そば」「粗忽長屋」「死神」などなど、お馴染みの落語。その笑いの公式を解いていくと日本人の本質が浮かび上がる。滑稽さの中に凛としたへそ曲がり精神あり、生活の工夫あり、それが庶民の武器になっている。豊富な実例とともに展開される著者特有の軽妙な論法の日本人論。ちょっぴり笑って、大きく納得。粋で洒脱な日本人気質、いま磨きごろ。
目次
第1部 落語のネタと日本人―笑いからの発想(この高級なる言葉あそび;笑わせて学ぶ禅の説法;若旦那の商売の不心得 ほか)
第2部 鮮やかな方法について―笑いの記号論(笑いの知恵くらべ;笑いの記号を解釈する)
第3部 へそ曲がり弱者の知恵―笑いから悟りへ(日本人と嘘の起源;『徒然草』の教訓 ほか)