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内容説明
1991年6月3日午後4時8分、長崎県島原半島の雲仙・普賢岳―。新幹線並みの速さで押し寄せる火砕流は、警戒にあたっていた警察官、消防団員、そして白熱した取材競争を繰り広げていた報道関係者の命をも呑み込んだ。犠牲になった報道関係者のひとりにNHK報道局映像センターのカメラマン、矢内万喜男氏がいた。急報を受けた夫人、矢内真由美さんは、翌日長崎入りする。そして真由美さんは矢内氏の収容された国立長崎中央病院へ駆けつけた直後より、矢内氏の容体、治療の模様、おりおりの感情をノートに詳細に書き綴った。本書は真由美さんによる、凄絶なまでの闘病の記録である。
目次
突然鳴り響いた悲しみのベル
これがあの人の顔だなんて―『ヒマラヤ紀行』が私を導いてくれた
待ちに待った初の朗報
オレハ死ナナイ、家族ニ会ウマデ―あの人の手を握った日
ブロック塀があの人を救った
私には何もしてあげられない
ひたすら、ただ寂しい―凍ったおにぎりとあの人の光〔ほか〕