内容説明
人には恐怖が必要だ。引退間近とされるスティーヴン・キングが、幼少期から現在に至る自らのホラー体験―実体験、小説、映画、テレビ等を縦横無尽に語りつくしたホラー年代記の金字塔!決定版!恐怖王が語るホラーの血脈と作家キングのできるまで。
目次
第1章 一九五七年一〇月四日、あるいは舞踏への勧誘
第2章 フックの話
第3章 タロットの話
第4章 自伝という試練でひと休み
第5章 ラジオの世界の真実味
第6章 現代アメリカのホラー映画―テキストとサブテキスト
第7章 ジャンクフードとしてのホラー映画
第8章 ガラスの乳首、または、このモンスターはゲインズバーガーの提供でお送りいたしました
第9章 ホラー小説
第10章 ラスト・ワルツ―ホラーと道徳心、ホラーと魔法
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン][King,Stephen]
1947年メイン州ポートランド生まれ。ハイスクール在学中から数多くの短篇を自費出版する。大学卒業後はクリーニング工場の従業員や高校教師などをつとめるかたわら執筆をつづけ、1974年に『キャリー』でデビュー。以来、数々のベストセラーを生み、世界中の読者を魅了しつづけている
安野玲[アンノレイ]
1963年生まれ。お茶の水女子大学卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
26
二度目の「死の舞踏」。絶版した福武版の改訳増補版である。禍々しい表紙のソフトカバーでレンガの厚み。入手して満足していたら、さらに改訳増補付きちくま文庫版が登場。ああw ちくま版がある今あえてバジリコ版を入手する必要は無いのですが、見た目は数ある日本版「死の舞踏」の中ではピカイチなので手元に置く意味はあるかも。ムードは大切だからね! キング少年が失踪した父の残したホラー小説を見つける件はやはりこの装丁が一番しみじみしますよ。巻末解説の菊地秀行先生は同年代の怪奇作家視点。B級ホラービデオの話は無くて残念w2019/09/01
**くま**
8
キングによるホラーガイド・エッセイ。ボリュームも内容も情報量もすごいです。ホラー映画を観ると眠くなる、ラヴクラフトを読んでもやっぱり眠くなるという、ホラーファンに怒られそうな私が読むには無謀な本です。でもキング命、我愛王(笑)なのでいそいそと読みました。まぁこれの読んだ感想をまともに語ろうと思ったらこのスペースの100倍は必要かと思われるので語りません。無理。しかしホラーファンではない私がページによっては2度、3度読みし、さらにメモまでとっていたということから、その充実ぶりは理解して頂けるかと思います。2014/09/02
eirianda
2
キングとは世代も国も違うので、読書、鑑賞作品が中々共有できなかったが、それでも、ホラーについて、恐怖とは、道徳感、世間の批判、について勉強になった。ラブクラフトってやはり重要なのだな……再認識。アメリカンホラー史として、観ていない映画、読んでいない小説に手を付けたい。テレビは…無理だな。2013/07/22
ナカムラ カツヤ
2
凄まじい文章量でありました。 読むのに、とても疲れました。 でも、スティーヴン・キングのホラーに対する考え方や、ホラーの名作・傑作について知ることができたので、とても良かったです。 とても良かったけれど、もう1度読むパワーはないです(苦笑)(図書館で借りました)2012/02/16
c
1
たぶん、町山智浩の種本のひとつだ。ただ講義録が基だとしても散漫だし、批評的エッセイにしては個人史の側面が強すぎるが、脂が乗っていた頃のキングのナラティヴは満喫出来る。冒頭の、キングにとっての恐怖≒ホラーの始まりが、アメリカ≒フロンティアスピリットの終わりの始まりであり、同時に自身の幼年期の終わりにも重ね合わされている見事さなど鳥肌もの。終章の「ラストワルツ」は、メタフィクショナルな短篇としても読めそうだ。「シャイニング」を自身の作品の映像化としては兎も角、映画としては認めているらしいことも知れて良かった。2012/07/19