内容説明
一〇月四日、中南洋に浮かぶ連合艦隊の拠点、トラック泊地が空襲された。ミクロネシア海戦で第三艦隊全滅の憂き目を見た米海軍の復讐戦である。夏にはヨーロッパにおいて、連合軍の大反攻が始まっており、東部戦線、地中海で枢軸側は総崩れの様相を呈している。東西で今次大戦の正念場を迎えつつあった。そして、昭和一八年が暮れる。明けて早々、日本政府は「大東亜会議」の開催を表明した。独立を宣言し始めたアジア諸国の首脳が、一堂に集う予定だ。「アジアを解放し、人種差別のない世界をつくる」日本が戦争の大義をあらためて各国に示す、絶好の機会でもある。来るべき会議開催に向け、西条は「大東亜担当大臣」に任命された。西条、そして東条の描くアジアの未来像。日米決戦の日が近づいている。
著者等紹介
林信吾[ハヤシシンゴ]
ロンドンで「欧州ジャーナル」を創刊、初代編集長。ノベルズだけではなく、ノンフィクションの分野でも活躍
清谷信一[キヨタニシンイチ]
軍事ジャーナリスト。精力的に海外取材をこなす。国内外の軍事情報に精通している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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