出版社内容情報
角栄と岸は宰相まで上り詰めた陽の政治家。甘粕はむしろ闇に輝く陰の実力者として満州国を切り盛りした。この三者は乱世の時代をどんな人生哲学、金銭哲学で生き抜いたのか? 時代の変遷期にある現代にも通じる知恵を彼らの遺した言葉から導く。
太田尚樹[オオタナオキ]
著・文・その他
内容説明
今のご時世、もっともらしい正論や、無難な言葉など何の足しにもならない。こんな時こそ、毒があっても自分の前に立ちふさがる黒雲を一掃させてくれるような、時に劇薬ともなってきた人物の存在を見逃す手はない。好悪は別にして、この本に登場する三人の男たちほど、強き本物の日本人にして、決断と実行力を武器にして日本を前へ前へと推し進めてきた人物はいない。現状を打破できない、未来が見えない、そんな人にとって、本書はまさに“劇薬”となってくれることだろう。
目次
第1章 怨念を背負った男たち
第2章 男が惚れる男の条件
第3章 金銭哲学
第4章 人情の機微に通じた男―庶民への目線と気配り
第5章 政治哲学
第6章 それぞれの人生哲学
著者等紹介
太田尚樹[オオタナオキ]
1941年東京生まれ。作家、東海大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hk
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これは掘り出し物の一冊。「酸いも甘いもかみ分けた」「清濁併せ呑む」といった慣用句があるが、それを地で行く3人の傑物が紹介されている。わけても甘粕正彦(あまかす)という人物にはまったく知見がなかったので、本書で甘粕という奇才を知ることが出来たのはもっけの幸い。殺人を犯したもののたった3年服役しただけで出獄し(本書では軍部の罪をやむなく引き受けたというスタンスをとっている)、のちに諜報機関の頭目として夜の満州を支配した聡明叡智である。もちろん今太閤・田中角栄と昭和の妖怪・岸信介に関する記述も興味深い。2018/10/20
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★★★★★2018/09/19