内容説明
ヨーロッパの伝承や詩に数多く登場する水を出自とする女は、セイレン・ウンディーネ・マーメイドなどと呼ばれ、陸に住む人間の男を魅了してきた。本書は、古代ギリシア神話から中世フランスの民衆本、近代ドイツのメールヒェン、アンデルセンの『人魚姫』を経て、近現代日本文学にいたるまで、時とともにイメージが変化する「水の女」の文学的系譜を辿る知的航海の書である。
目次
序章 船出
第1章 歌声の消失
第2章 歌声の復活
第3章 一八一一年
第4章 妙音の饗宴
第5章 宴の後
終章 「水の女」の黙示録
補遺 人魚の嘆き
著者等紹介
小黒康正[オグロヤスマサ]
1964年生まれ。北海道小樽市出身。博士(文学)。ドイツ・ミュンヘン大学日本センター講師。現在、九州大学大学院人文科学研究院教授(ドイツ文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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