内容説明
もはや日本人投手がメジャーリーグの舞台で活躍することは珍しくなくなった。野茂英雄の挑戦に始まり、センセーショナルな入団となった松坂大輔、確かな実績を積み上げる黒田博樹、2013年に大ブレイクした上原浩治…そしてダルビッシュ有と田中将大というふたりの若手投手はメジャーを代表する投手となる可能性を秘めている。かつては高い壁のように思われていたメジャーのマウンドを席巻する日本人投手。現地・アメリカではその姿をどのように捉えているのだろうか。投手個々の評価、日本人投手の長短所、そいてルーツである甲子園などをメジャーリーガー、関係者、記者に聞く。メジャーから見た「日本人投手」の全てがここにある。
目次
第1章 メジャーリーグにおける日本人投手のリアル―「黒田博樹」と「ダルビッシュ有」
第2章 メジャーが指摘する日本人投手の長所と短所
第3章 日本人投手の真の評価
第4章 データで見る日本人投手
第5章 日本人投手は投げ過ぎか―メジャーから見た「甲子園」
特別収録 鼎談「メジャーリーグと日本の距離」
著者等紹介
杉浦大介[スギウラダイスケ]
1975年10月12日生まれ。東京都出身。学生時代は高校球児、アマボクサー。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーランス・スポーツライターに。現在はMLB、NBA、NFL、ボクシングを題材に取材、執筆活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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s-kozy
68
今(ただし、2014年シーズン終盤)のメジャーで日本人投手がどう評価されているかを多くの関係者に取材してまとめたのが本書。ジャーナリストだけではなく現役メジャーリーガーや監督らの意見も読めるのが嬉しい。去年までの実績だと最高の日本人投手は黒田博樹という結論にも納得。また、最近はパッとしないなという印象だった松坂大輔が高く評価されており、日米で投手の評価の仕方が若干異なるということが分かる。将来的には田中かダルビッシュが日本人史上最高になるのではと予想されており、今後が楽しみだが、ダルの故障離脱は残念。2015/03/26
糜竺(びじく)
43
2014年11月1日発行本。その当時のメジャーリーグの日本人投手についての状況について特に載せられている本でした。ダルビッシュ有、松坂大輔、岩隈久志、上原浩治、黒田博樹、田中将大選手などは、メジャーリーグではかなりの評価を受けていて、日本人としては頼もしく感じました。日本人投手の長所としては、メンタルのたくましさ、投球フォームの安定、球種の多様性で、また、特に短所として3年限界説、つまり賞味期限が短いという分析は鋭くて興味深く感じました。総合的に考えると日本人投手黄金時代といえる年だったと思いました。2017/12/06
Kaz
8
松坂の評価が予想以上に高かった。打者の評価も聞いてみたい。二刀流の大谷の今後の動向は非常に気になる。2018/04/05
Wackey
5
野茂、松坂、黒田、上原、岩隈、ダル、田中などの評価をメジャーリーガーや現地記者の視点から述べられている。ダルの能力を現地の誰もが認めていることや、黒田の評価がとても高いのは日本人として誇らしいです。松坂のキャリアの長さが高評価に繋がっているのは意外でした。また、日本人投手の長所短所も改めて知りました。特にスプリットについてはアメリカ人が投げなくなった背景を踏まえると、当たり前のようにスプリットを多用する日本人投手たちの凄さを実感しました。日本の高校野球に対しては肯定的な意見も多かったので新鮮でした。2015/03/06
luckyair
4
これまでの日本人投手の活躍を列挙・比較した上で、メジャースカウトや現地メディアなどの評価を元に構成されている。近年メジャーで活躍しているダルビッシュ、岩隅、上原、黒田、そして2014年の田中などを松坂や野茂などの実績と対比している箇所もある。近頃は日本人投手を支えるサポート体制が整ってきていることを考えると、20年近くも前に野茂があれだけの実績を残したことはあらためて評価が高いのだと思った。2015年からは古巣の広島に復帰することになった黒田も、稼動年の長さがメジャーでは高く評価されているそう。★★☆2014/12/28
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