内容説明
映画やドラマなどの題材にされることが多い新選組だが、その姿は、はたして、どこまでが史実なのだろうか。本書は「新選組!」「龍馬伝」「八重の桜」とNHK大河ドラマの時代考証をつとめてきた著者が、さまざまな史料を基に、その謎を解き明かしながら、隊士たちの足跡をたどっていく。近藤勇出生の多摩から、土方歳三最期の決戦が行われた函館まで。史跡案内・地図を付記して観光ガイドとしても最適。
目次
第1章 試衛館の壮士たち(近藤勇1―なぜ近藤家の養子になったのか;近藤勇2―講武所の教授には就任できたのか ほか)
第2章 池田屋事件の謎と真実(京都残留―なぜ会津藩お預かりとなったのか;壬生浪士―壬生浪士組とは呼ばれなかった ほか)
第3章 分裂する新選組(山南敬助の脱走―法度はいつつくられたのか;西本願寺移転―山崎烝の名簿はなにを語るのか ほか)
第4章 誠の旗と戊辰戦争(鳥羽伏見の戦い―永倉新八の決死隊のメンバーとは;下総流山―近藤勇はなぜ投降したのか ほか)
著者等紹介
山村竜也[ヤマムラタツヤ]
1961年、東京都生まれ。歴史作家。NHK大河ドラマ「八重の桜」「龍馬伝」「新選組!」、NHKBS時代劇「新選組血風録」などの時代考証を担当する。ほかに、マンガの原作をつとめるなど、活動の幅を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ランちゃん
2
土方「われらのごとき無能者は快く戦い、国家に準ずるだけだ。」徳川に恩を受けたものとして、最後まで戦い続ける姿。感動しました。新史料がでては、新撰組の実像と虚像が、くるくる入れ替わる。その時代を生きた人に凄味を感じました。決して、現代の価値観で命をささげた彼らを評価してはいけません。2019/01/19
memo
2
読めば読むだけ、何が正解かわからくなる。2018/03/14
かんな
2
読みやすそうで選んだ。新選組の歴史が同時代史料によって以前とだいぶ変わっている…隊は8までしかなかったとか歳三は9年間奉公に出ていたとか。あくまで客観的に解説しているので小説で人の主観が入ったものとは全然違いました。大変面白かったです。2015/09/22
アト
2
短めの本文と、それに関する史跡の写真(案内)が交互に配置されていて飽きない。新撰組の基本的な知識もちらほら拾える。ここで誰が死ぬ、と知ってて読んでいるのにいちいちへこんでしまった。壬生の屯所に新撰組の標札が設置されたときの、八木為三郎少年による「この板も私の家にあったものをもらっていって、近所の大工に削らせてきたもので、これをかけると、沖田総司だの、原田左之助なんかが、その前へ立って、がやがやいいながら、しみじみとながめて喜んでいました」という話に和んだ。2014/05/21
めぐ≠かのん
1
組のおたくとして年季が入っているわたしでもちょいちょい新発見があるのと、学術的でありながらとてもわかりやすいのとで、良書だと思います。時代小説のサブテキストとしても良いかも。史跡ガイドとしても優秀!日野、久々に行きたくなりました。2021/01/11