平凡社新書
ゲルツェンと1848年革命の人びと

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  • サイズ 新書判/ページ数 263p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582857924
  • NDC分類 230.6
  • Cコード C0222

出版社内容情報

ロシアから西欧へ亡命したゲルツェンの思想と、彼が交わりをもった思想家群像、プルードン、ガリバルディからオーウェンまでを描く。

はじめに
ゲルツェン生誕二百年祭/血族たち/「ゲルツェン」という姓

序章 ゲルツェンと一八四八年革命
ゲルツェンの思想/生涯の概略──ロシアにおけるゲルツェン/一八四八年革命
ナショナリズムと国民国家の創出/ゲルツェンの立ち位置/パリ六月の惨劇
六月の教訓/三つの課題/交友と反目

第一部 西欧のロシア観vs.ゲルツェンのロシア論

1 「ピョートルとその後」──西欧のロシア観1
侵入する異物としてのロシア/多様なロシア論──啓蒙の奇跡/中間階級不在の国
ロシアの民衆の発見
2 「ニコライ一世の時代のロシア」──西欧のロシア観2
キュスティーヌ侯爵の『一八三九年のロシア』/絶大なる皇帝権力/悲惨な内情
カタログの帝国/ロシアにおける反響/ハクストハウゼンの「農村共同体」研究
ゲルツェンのハクストハウゼン批判
3 ゲルツェンの見るロシアの「共同体」と「専制体制」
内在的原理としての「共同体」/専制的権力の由来と対抗する要素
ギリシャ正教という要素
4 「ピョートルとその後」をゲルツェンはどう見たか
個我の意識とピョートル/エカテリナ二世の時代とラジシチェフ
5 ロシアが与えるヨーロッパの未来──ゲルツェンの見るロシアの現在
偉大な仕事の時代/未来へのプーシキンの信念/レールモントフとゴーゴリ
西欧派とスラヴ派

第二部

内容説明

現代へのとば口、マルクスがまだ端っこにいた時代、48年革命期の思想家・活動家の大立者をつなぐキーマンはゲルツェンだった!いまこそ見なおされ読みなおされるべき48年革命の人びととその思考!

目次

ゲルツェンと一八四八年革命
第1部 西欧のロシア観vs.ゲルツェンのロシア論(「ピョートルとその後」―西欧のロシア観1;「ニコライ一世の時代のロシア」―西欧のロシア観2;ゲルツェンの見るロシアの「共同体」と「専制体制」;「ピョートルとその後」をゲルツェンはどう見たか;ロシアが与えるヨーロッパの未来―ゲルツェンの見るロシアの現在)
第2部 四八年の人びと(フランス;イタリア;イギリス)

著者等紹介

長縄光男[ナガナワミツオ]
1941年東京生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。横浜国立大学名誉教授。専攻、ロシア社会思想史、日露文化交流史。訳書、ゲルツェン『過去と思索』全3巻(筑摩書房、日本翻訳出版文化賞、木村彰一賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

73
正直な話、ゲルツェンについてはほぼ無知、書名の後段に惹かれて購入。その第2部が面白かった。プルードンに始まり、イタリアのマッツィーニにガリバルディ、イギリスのJ.S.ミル、そして最後のオーウェンに対するゲルツェンの追悼文(とその著者による紹介)が秀逸だった。ロシアからの亡命貴族で、かなりの資産持ちであり、作家、ジャーナリストとして活動、革命家に資金援助し、多くの交友がある人物の、「ドグマに陥らない」社会主義感は、現代に通用する価値観と思った。また、やや貴族趣味とは言え、その大衆に対する感性も鋭い。2021/10/05

fseigojp

26
ドストエフスキーと同時代人 バクーニンとともに初期ロシア社会主義者 ネチャーエフ(「革命家の教理問答」の著者)が両者から資金を得て、「悪霊」のモデルとなった内ゲバ事件を起こした2015/11/27

Z

5
諸国民の春の時代の社会思想、社会運動の各国の見取り図を描くために非常に有益な書。ヨーロッパとロシア、国家と宗教(キリスト教)、新興の市民、現代にも通じる基本的な構図が出ている。西欧のロシア観として、ライプニッツのようにアジアと西欧の架け橋となってくれる存在として重視するもの、未だ未開の地として嫌悪するもの、ロシアの西欧派、スラブ派の構図、西欧の革新勢力として、青年イタリア、ポーランド、スイス、スペイン党などの試みを結びつける「ヨーロッパ民主中央委員会」の存在等、色々知れて有益だった。2016/03/24

バルジ

2
ゲルツェンと西欧との関わりを窺い知れる一冊でもあるが、ゲルツェンを通じてロシアと西欧の相克が見れるのも面白い。 ゲルツェンの思想で印象深いのは民衆には懐疑的なれどやはりその民衆を構成する個々の「人間」に対する純朴な期待があるという点。そして「生活感覚と曖昧さを許す感覚」というのは現代世界を見る上で念頭に置いておきたい言葉でもある。2018/01/25

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