平凡社新書<br> 小栗上野介―忘れられた悲劇の幕臣

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平凡社新書
小栗上野介―忘れられた悲劇の幕臣

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  • サイズ 新書判/ページ数 231p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582855616
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0223

内容説明

安政七(一八六〇)年一月、この時三十四歳だった小栗は、遣米使節の目付として、日米修好通商条約批准のため渡米。世界を一周し九ヶ月後に帰国。その後、混乱のさなかにあった幕末期に、勘定奉行や外国奉行などの要職を歴任し、日本の構造改革に奔走した。しかし、幕府解散で上州権田村に移り住んでからわずか二ヶ月後、西軍により罪なくして斬られ、歴史の闇に葬られてしまった。司馬遼太郎が「明治の父」と評した最後の幕臣の苛烈な生涯。

目次

第1章 日本人初の世界一周―四万キロの旅(アメリカへ;熱狂で迎えられた使節一行 ほか)
第2章 幕末期の構造改革(変わり果てた祖国の姿;造船所からの日本改造)
第3章 経済による立て直し(日本人初の経済外交;日本最初の株式会社)
第4章 上州に夢をはせて(勝気だった幼少時代;夢の半ば…)

著者等紹介

村上泰賢[ムラカミタイケン]
1941年群馬県生まれ。駒沢大学文学部卒業。東善寺住職。小栗上野介顕彰会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Book & Travel

42
司馬さんが「明治国家の父」と評した小栗忠順。本書は小栗の菩提寺の住職が書かれたもので、遣米使節団や横須賀製鉄所建設など、小栗が中心となった幕府の近代化政策に多く筆が割かれている。当時の米国の状況など背景やこぼれ話を、丁寧な文章でわかりやすく書かれているのがとても好感が持てた。幕臣としての矜持と先見性を持ち、明治の近代化政策はほとんど彼の構想の模倣とまで言われるが、それだけにというかそれ故か、新政府軍の一軍監に詮議もなく斬首されるのは何ともやるせない。もっと多くの人に功績を知ってもらいたい人物である。2018/03/19

James Hayashi

32
仏寺(小栗の菩提寺)の住職、小栗上野介顕彰会理事の著者。名前は聞いたことがあったが、その人の成し遂げたことなどは知らなかった。近代日本の立ち上げに貢献したにかかわらず、反政府に見られたため、あまり教科書などでは取り上げられないのかもしれない。遣米使節に加わり西洋の近代化を目の当たりにした事は、帰国後の彼の仕事が物語っている。個人的には横須賀造船所の建造により、日露戦争での勝利に多大に貢献したことに注目した。2019/11/15

井上裕紀男

22
Country gentlemanとも言えそうな小栗氏の話は、虚飾の英雄たちに無い凄みがあります。彼だけでなく、江戸末期~明治にかけて、多くの人材がむごい死を遂げていることが悲しい。 本書は小栗氏以外の話がやたらに多く、「えっ」と思いますが渡米・貨幣問題、どの話も面白くて許せます。 佐藤一斉の弟子安積昆斎に学んだようですが、安積氏の門下生一覧はバラエティ豊かで興味深い。 日本初の株式会社も小栗氏が手掛けており、著名な維新志士が彼の知見と多彩ぶりを幾度真似たのでしょうか。埋もれちゃならない人です。2021/05/06

クサバナリスト

14
NHK『知恵泉』で取り上げら興味を持ち、本書を読んだ。その功績等が偉大であっても、その時やその後の時代の状況次第で歴史に埋もれてしまった人の典型であろうか?その死は、明治近代化にあって勿体ないものであっただろう。2016/02/20

seki

12
日本の近代化に大きく貢献した小栗。有能な人物ながらも、私の住む群馬でも知る人は少ない。最近になって、テレビで取り上げられるようになった群馬の郷土カルタ、上毛かるたにも出てこない。幕臣であったが故に、意図して、歴史から消されようとしてきたのだろう。このような人物は小栗だけではない。昨年、旅行で訪れた、福島会津にも多くの偉人を見聞したが、維新で賊軍となった会津出身であるが故に歴史の渦に埋もれてしまっている。教科書で教えられる歴史にはまだまだフィルターがかかっているように思える。2021/06/13

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