内容説明
なぜ、自民党単独政権は三八年もの長きにわたったのか?なぜ、七〇年代の保革伯仲は二大政党制へと結実しなかったのか?それらを左右した国政選挙に表現された戦後日本人の選択とは?日本の有権者は、断じて愚かではなかった。総選挙を軸に、戦後史の流れをたどる。
目次
第1章 政党の胎動―敗戦~一九五〇年代
第2章 安保から経済成長へ―一九六〇年代
第3章 保守・革新の迷走―一九七〇年代
第4章 保守「奔流」―一九八〇年代
第5章 政変から再編へ―一九九〇年代
第6章 国民の、次なる選択―二〇〇〇年代~未来へ
著者等紹介
林信吾[ハヤシシンゴ]
1958年東京都生まれ。神奈川大学中退。83年から10年間在英ののち帰国、以降作家・ジャーナリストとして執筆活動を行っている
葛岡智恭[クズオカトモヤス]
1959年東京都生まれ。法政大学卒業後、出版社勤務を経て独立。雑誌編集、広告制作にたずさわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ポルポ・ウィズ・バナナ
2
いかに自民党が劣化していったかがよくわかります。他の党のお話も押さえてあるのが良い。とくに公明党の成りたちが興味深い。公明党は、かつて社会主義政党が担うべき層、すなわち、国策として農村部から都市部に送り込まれた不安定な労働に従事する層――に対して手をさしのべることによって成立していったわけである。2012/12/17
白義
2
分かりやすい戦後政治史。特にこれといった強みはありませんが、吉田茂から安部晋三までざっと要領よく概観できます。自民党の党内党争に限らず、野党の動きもバランスよく織り交ぜているのが入門書としては適切。林さんはどうも共著だと欠点のあくのつよさが抜けるのか、評論家っぽさと入門書っぽさがほどよい分量。参考文献も充実していてベターな本ですね2011/08/22