内容説明
藩主松平容保が京都守護職を務めたために戊辰戦争で朝敵とされ、薩長官軍の理不尽な攻撃に最後まで抗ったのが会津藩だった。尚武の気風で知られた会津藩では家中の女性も戦闘に参加、自刃、篭城、逃避行などさまざまな形で戦禍の悲惨を味わった。この凄絶な戦いと敗戦後の下北移住の中で、女たちはどのように生き、そして死んでいったのか。その凄絶な戦場体験から、明治になって活躍する姿まで、会津の女たちの強さを明らかにする。
目次
第1章 自刃した女性たち
第2章 篭城した女性たち
第3章 会津婦女隊の活躍
第4章 郊外に逃れた女たち
第5章 篭城戦の実態
第6章 会津落城
第7章 異色の逃避行
第8章 斗南へ移住
第9章 明治の社会
著者等紹介
星亮一[ホシリョウイチ]
1935年仙台市生まれ。東北大学文学部国史学科卒業。日本大学大学院総合社会情報研究科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
24
私の認識が甘かったのと無知が原因で、この戦いがここまで壮絶で、また女性が重要な役割を果たしていたことを知らなかった。女性は戦争において男性の後ろに引っ込んでいるものとばかり思っていたが、山本八重を始めとする勇敢な女性たち、特に会津婦女隊という小規模な軍隊まで存在していたことに驚かされた。その後の時代に貢献した人物も多く、犠牲者が多数出てしまったことが悔やまれる。それほど大昔ではないのに、凄い時代だったのだな。2013/01/21
heslkst
7
会津の思想、魂を読むことが出来た。2016/09/11
ゆぅ
4
様々な人物の手記が載っており、会津戦争中~戦後の女性たちの様子が書かれています。城に入る様子や自刃の詳細、城内・城下の惨状、戦後移住に関する話まで様々です。精神が安定している日に読みたい本ですが、明治になり活躍された会津女性など勇気付けられる話もありました。会津、会津戦争に興味がある方にはお勧めの一冊です。再読したい!2018/05/30
海辻
4
今まで読んでなかったのが不思議。会津戦争時の女性を語るなら必読でした。(図)2009/08/27
KJ
3
今大河ドラマの会津戦争の場面に、タイムリーに読了。会津藩のたどった道、男子だけでなく、女子のたどる道を史実、資料に基づいた展開。同志社、フェリス女学院の創始者に少なからず会津女子が絡んでいるのも、たくましさ、ならぬものはならぬという、会津藩の教えの 貫きの精神が垣間見ることができる。面白い!2013/06/30