出版社内容情報
聖書の中の最大のアウトサイダー、ユダ。十二使徒の一人でありながら、銀貨30枚のためにキリストを裏切ったのは何故か。美術と文学に描かれたユダの像を考察し、ユダの内心に迫る。
内容説明
誰にでも思い当たる、人を裏切るという行為。裏切者の代名詞ともなっているユダ。彼は銀貨三十枚だけのために、主を売ったのか。イエスに与えたユダの「接吻」が意味するものは何か。ユダの裏切りの本当の動機とは？美術と文学に描かれたユダ像を考察し、聖書の中のアウトサイダー、ユダの内心の謎に迫る。
目次
１ ユダの図像学（描かれたユダ；シモンの家の宴；ユダの契約 ほか）
２ 裏切りの動機（贖罪の山羊；銀貨三〇枚のために；悪魔が彼に入った ほか）
３ 光の子・闇の子（死に至る病；ユダの木；楽園の木 ほか）
著者等紹介
利倉隆［トシクラタカシ］
１９５０年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業。編集者（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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おはぎ
5
ユダの物語があらゆる解釈をされつつ人々を魅了してきたことがわかる。2024/04/04
lily
3
使徒の中でも最も魅力的で、ミステリアスなユダを考察する良著。金に汚い小悪党として、悪魔に魅入られた人として、イエスを愛する人として…ユダには、様々な視点がある。結局、裏切りの動機は何だったのか。ユダはイエスを贖罪の死に導く人間で、裏切りは計画の一部であったという視点も面白いが、やはり個人的には、イエスへの歪んだ愛に帰着すると思う。世俗的かもしれないが、ユダの行動は、尊敬・敬愛する者に対する行いとしてどこまでもリアルに納得できるのだ。絶対にお金目当てなんかではない。痛いほどわかる。彼は嫉妬していたのだと。2015/02/21
きむら
0
イスカリオテのユダをテーマにしたあらゆる美術や文学について網羅されています。大貫隆先生の『イスカリオテのユダ』と形式は似ていますが、美術方面までカバーされているのが強みですね！利倉先生独自の解釈によるエピローグまでとても楽しめます。
