内容説明
毎年、正月には数千万人もの人が初詣に出かけ、その一方で、神道の信者であると答える人は四パーセント。日本人にとって、神とは、神道とは、何なのだろうか?「見える神道」「見えない神道」の二つの側面から考えることで、初めてこの問いに、正面から向き合うことができる。神社、儀式、制度、ネットワーク、神概念、習慣・習俗など、神道の基礎知識をわかりやすく整理する。
目次
神道の二つの顔―「見える神道」・「見えない神道」
第1部 「見える神道」の今と昔(神道を伝える“回路”―神社と教団を中心とする神道;神道を伝えた“人々”;神道に込められた“情報”)
第2部 「見えない神道」の広がり(「見えない神道」と伝統的な伝達回路;近現代に登場した回路)
著者等紹介
井上順孝[イノウエノブタカ]
1948年鹿児島県生まれ。東京大学卒業、同大学大学院人文科学研究科博士課程中退(宗教学)。国学院大学神道文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
4
「日本書紀であると、神代巻がすでに1599年に出版されていたが 、江戸時代にはいり、1610年には全三十巻が出版され…一挙に読者層を拡大していく」「四大人は今日それぞれ次の神社にまつられている。荷田春満は伏見区の東丸神社。賀茂真淵は浜松市の県居神社。本居宣長は松阪市の山室神社。そして篤胤は秋田市の弥高神社…神職は荷田春満、賀茂真淵の二人であり、契沖、平田篤胤、大国隆正は武士の出、そして本居宣長は商家の出である。このうち宣長、篤胤には多くの門人ができたが、その階層は神職に限られず…種々であった」2017/08/30
れいちゃん
2
全知全能ではないので、神道は「道徳規範」という側面を持たない。そのため自らの行動基準にはならないことが一神教との大きな違いなのだろう。行動基準としての聖典がないため日頃神道を意識することはないが、冠婚葬祭や初詣など文化として日本人の生活に根付いているところが面白い。2021/08/04
帯長襷
2
伊勢神宮に伺う道中に読む。神道はそもそも宗教なのか。ほぼ「文化」なのではないか。伊勢に行っても、神の存在のようなものを感じる聖域の感はあるが、「これはこういう場所」という文化とも言える。少なくとも、半径狭い中での信仰は規律。しかし、世界を広げるとその規律は違う円周との関わりで誤った対立をしているのではないか、と、ダブルスタンダードを受け止める日本人らしいこお考えたり2021/05/29
しゅんどーん
1
日本人に馴染みが深く、知ってそうであまりよく知らない、もっと知りたいと思う神道。その広がりを平易に解説する。2018/06/13
かぜよみ
1
専門用語がとつぜん使われたりといった問題はあるものの、よい難易度の入門書だと私は思います。文字をなぞって終わってしまった部分も多かったので、引き続きいろいろ読んでいきたい。2016/01/17