平凡社新書
象徴天皇制の起源―アメリカの心理戦「日本計画」

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  • サイズ 新書判/ページ数 246p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582852813
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0231

内容説明

著者が二〇〇四年にアメリカ国立公文書館で発見したOSS(戦略情報局)機密文書「日本計画」(最終草稿)は、日米開戦からわずか六ヶ月、一九四二年六月の時点で、すでに戦後日本の象徴天皇制を構想した驚くべきものであった。CIAの前身OSSは中国・朝鮮を含む対極東情報戦の中心で、日本の戦後社会のあり方に大きな影響力をもった。現代の情報戦へと続くOSSの史資料・機構・人脈を詳細に探り、アメリカに設計された象徴天皇制の起源を追究した画期的な書。

目次

第1章 象徴天皇制をめぐる情報戦
第2章 一九四二年六月の米国「日本計画」―最終草稿の発見
第3章 戦時米国の情報戦体制―戦略情報局(OSS)調査分析部
第4章 「敵国日本」の百科全書―真珠湾攻撃時の調査分析部極東課
第5章 「平和の象徴」天皇観の形成―「日本計画」第一・第二草稿
第6章 もうひとつの源流―情報調整局(COI)の「四二年テーゼ」
第7章 第三の系譜―英米共同計画アウトライン
第8章 「日本計画」と「ドラゴン計画」―対中国・朝鮮戦略との連動
第9章 「日本計画」をめぐるOSS対OWI―マッカーサー書簡の意味
第10章 「日本計画」と象徴天皇制のその後―心理戦・情報戦は続く

著者等紹介

加藤哲郎[カトウテツロウ]
1947年岩手県生まれ。東京大学法学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科教授(政治学)。法学博士。インターネット上で「ネチズン・カレッジ」を主宰
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とよぽん

8
衝撃的な本だ。太平洋戦争が始まる前からイギリスとアメリカが日本(大東亜共栄圏)の軍部、政治経済やら社会情勢、宗教観などを細かく調査分析していたのだ。そして「戦後」の日本をどうするか?ということについても綿密で周到な計画が作成されていた。アメリカ合衆国日本州ではなく、日本を日本として再建?させた意図は何だったのだろう。象徴天皇制ということをアメリカが提案(国体護持の交換条件)し、憲法第1条に明記した。日本人の感覚では、アメリカが天皇制を巧妙に利用した、などとは感じないように巧妙に。アメリカ、恐るべし!2016/12/11

Hiroki Nishizumi

6
アメリカという国家の洞察力、思慮深さに呆然としてしまう。憲法第九条を押し付けられたという議論はよく聞くが、第一条についての話は寡黙にして知らなかった。この議論が高まらないのもまた彼らのシナリオ通りか、、、為すべきことは何なのか、、、2014/04/20

Hiroki Nishizumi

3
日本人が日本人であること、という思いが崩れていく。何もかもアメリカ様の思い通り。アメリカ様に媚びうる者が幅をきかせ、自主独立とか逆らうものは抹消される。早く植民地から解放されたい・・・2012/08/12

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