平凡社新書
焼跡のグラフィズム―『FRONT』から『週刊サンニュース』へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 195p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582852684
  • NDC分類 051
  • Cコード C0221

内容説明

戦時中の対外宣伝誌『FRONT』は、参謀本部の協力の下、東方社で制作された。東方社が育んだ技術は高く、その雰囲気には自由なものがあった。敗戦後、「戦争協力」により幹部の誰もが口を噤んでしまったが、著者は東方社の持っていた技術とデザイン力の高さは、戦後日本の出版に生かすべきものと考えた。日本の敗戦と焼跡の日々の模索のなかで、出版のビジュアル化を希求した貴重な記録。

目次

第1部 虎穴での生き方(日米開戦と共に就職―仕事は対外国宣伝物の制作;心ドキドキの初出勤で出会った異体の人々;西洋館に出入りする革ジャンの長髪族;師匠と同室で気づまりの一人助手 ほか)
第2部 焼跡をさまよう(敗戦―廃墟の焼ビルにあてもなく集う日々;焼ビルに身を寄せ合う元社員をさらに襲う不幸;広島・長崎の原爆記録を撮影―木村部長の度胸でフィルムを守る;『東京一九四五年・秋』の刊行―文化社が戦後に残したもの ほか)

著者等紹介

多川精一[タガワセイイチ]
1923年東京生まれ。東京府立工芸学校卒業。42年原弘の助手として東方社に入社し、『FRONT』の制作に参加。45年以降、装幀・レイアウトを中心に、『週刊サンニュース』(サン通信社)、『岩波写真文庫』、『月刊太陽』(平凡社)、『季刊銀花』(文化出版局)、『るるぶ』(JTB出版局)ほか、多数の出版デザインに携わる。個人雑誌『紙魚の手帳』を刊行
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ヴァン

2
戦時中、FRONTというプロパガンダ誌を陸軍参謀本部の要請で制作していた著者の回想。いつの時代でも最高の技術はパトロンあってのもの、と言ってしまえば皮肉か。ただ、このFRONT の宣伝効果はどの程度のものだったのだろうか。2016/06/20

tkm66

1
それなりに精読、だった筈。2005/06/22

bittersweet symphony

0
木村伊兵衛などが参加した戦前・戦中の軍の宣伝雑誌『FRONT』はその筋ではデザインの先進性などで有名ですが、その雑誌を出版していた東方社なる会社に入社してから、名取洋之助による『週刊サンニュース』に参加するまでを戦局を絡めつつ描いています。戦時中に反戦的な考えを持った人間が殺されないようにどうのように身を処していけばよいのかという観点での記述も多いので、今後おおいに参考にしなければいけなくなるかもしれないですね。2005/09/15

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