平凡社新書
バスクとバスク人

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784582852219
  • NDC分類 236
  • Cコード C0239

内容説明

スペイン、フランスに広がる“謎の民族”バスク。他のヨーロッパ言語とは異なるバスク語を話し、伝統的な文化を守り、今も独立指向が強い。牧羊、ビルバオの鉄鋼業はよく知られているが、フランシスコ・ザビエル、シモン・ボリーバルの活躍、反フランコ闘争など、世界史上で重要な役割を果たしてきた。民族、文化、言語、歴史、独立運動など、バスクの全体像を描いた待望の書。

目次

序章 世界に拡がる小さな「くに」
第1章 バスク人とはなにか
第2章 バスク社会とバスク人の歴史
第3章 スペイン内戦とバスクの「大義」
第4章 言葉とアイデンティティ
終章 バスクの現在―プラス・イメージ形成へ

著者等紹介

渡部哲郎[ワタナベテツロウ]
1950年島根県安来市生まれ。島根大学文理学部卒業、上智大学大学院文学研究科博士課程修了。常葉学園大学外国語学部助教授、ビルバオのデウスト大学客員教授などを経て、横浜商科大学商学部教授。専攻はスペイン史、地域研究(バスク)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

70
バスクに関する情報が少ないので、貴重な情報源だ。 ビルバオにもいて、様々な経験をされている方の心情吐露だと思えばよくみえてくる。 バスク、バスク人に対する体系的な説明ができるほど、歴史的、学術的な研究が進んでいないのだろうということが推測できる。 ヨーロッパ文化、ヨーロッパの民族の一つの鍵となるバスクについて、のぞき知ることができる。2008/05/23

AICHAN

33
図書館本。バスク人はピレネー山脈の山麓に住み、ヨーロッパ言語と違うバスク語を話す。謎の民族と呼ばれる。日本人に馴染みのあるバスク人にフランシスコ・ザビエルがいる…という程度の知識しかバスクに関しては持ち合わせていなかった。それで詳しく知りたいと思ってこの本を借りた。バスク人(バスク語を含む)が周辺諸国と異質なのは、クロマニョン人の末裔でありバスク地方がローマ帝国に侵略されなかったことが要因との見方もあるほか、遺伝子研究の結果からは北アフリカから最初にイベリア半島に入った末裔との見方もできるそうだ。2017/08/17

あなほりふくろう

16
あのフランシスコ・ザビエルがバスク出身とは。また捕鯨・鯨食の歴史と文化があったとは。彼らの独立意識の高い民族性は何処から来たのか、そして独立運動とはを歴史的経緯を踏まえて述べている。印象に残ったのは強固な農村共同体、家・隣人を中心とした繋がり、そしてフエロス。セルバンテス「単純、傲慢、乱暴」外から見れば不誠実な人々だが内輪には優しい。このあたり極めて保守的というか、田舎のムラ社会が持つ高い閉鎖性に近いものを感じたのだった。2013/10/04

五月雨ザバレタ

3
バスクといったらアスレティック・ビルバオぐらいしか知識がなかったので読んでみた。ザビエルさんバスク人で、ゲルニカってバスク地方の空爆について描いたんだ~って思ってたけど、実際に爆撃があったかっていうのは議論されているらしい。2004年の本だから決着がもうついているかもしれないけど、そんなこと知らなかった。ローマ帝国に侵略されていないこともびっくりした。男女平等と言った現代のテーマを昔から行なっていることにも驚いたし、面白い本だった。2018/02/10

pepe

3
バスクの民族的な意識がどのように作られてきたかを歴史的経緯から述べている。バスク語の公用語化が政治的独立性のために用いられていることなど、言語成立に政治的影響があることがわかる。また遺伝子(HLA白血球抗原)からは現代のバスクは、古代の北アフリカ地域と近いという成果があり、ジブラルタルを北上してきたというシナリオは興味深い仮説だ。歴史についての下りは記述的である。ビルバオは産業革命後の鉄生産で、19世紀後半に急速に栄えたという。2012/10/30

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