内容説明
本書では三島由紀夫を通して「日本の近代とは何か」を明らかにし、オウムを通して「日本の近代以後とは何か」を考える。その際、近代化に深く関わる空間と時間を「象徴的な空間」「神話的な時間」と措定し、それぞれに「バルコニー」という建築と「転生」というシステムをあてはめる。では、この二つの基軸が交錯するところに、一体、何が浮かびあがってくるのだろうか。
目次
第1章 洋学校の花びら―「ジェーンズ邸」のバルコニー
第2章 鹿鳴館の幻―「鹿鳴館」のバルコニー
第3章 死者の群れ―「西郷従道邸」のバルコニー
第4章 戒厳令の館―「軍人会館」のバルコニー
第5章 白亜の城―「三島由紀夫邸」のバルコニー
第6章 死の舞踏―「陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地一号館」のバルコニー
最終章 バルコニーが消えてから―「サティアン、地下、神戸」