出版社内容情報
内容説明
ロスジェネ世代、非正規雇用、職場のハラスメント、うつと休職、生活保護、障害年金―。『ぼそぼそ声のフェミニズム』著者がつづる“働けない”側から考えるあたらしい労働論。
目次
一章 働かない、働けない、働きたくない(…時代が私に追いついてきてしまったのか?;「正規雇用」の「正」ってナニ?―正規雇用と非正規雇用の分断の正体;働けない人間の身に起きたこと―年金制度に潜む差別 ほか)
二章 「普通になりたい」という願望(“怠ける”というタブー―うつ病の人が闘う相手とは;「お天気屋さん」として生きている;いつまでも楽にならない労働の話;頑張りゃいいってものじゃない;「おおきなかぶ」と「新時代の『日本的経営』」)
三章 不安定な私の労働と、働かなくてもよい人たち(「怠け者」列伝;働いているけど、働いてない;不労所得―あるいは「稼ぎ」が目的ではない仕事;ポイ活―消費の導火線、あるいは労働の残滓)
著者等紹介
栗田隆子[クリタリュウコ]
文筆家。1973年生まれ。大阪大学大学院で哲学を学び、シモーヌ・ヴェイユを研究。その後、非常勤職や派遣社員などのかたわら女性の貧困問題や労働問題を中心に新聞・雑誌などで執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
60
【働かない/働けないことについて、独身女性の視点から描く】「将来に不安を感じることはないか」という質問に、「契約が短期で終わる人間は将来なんてものを考えられない」と直截に答えてしまう、うつ病持ちの著者が考える労働論。<「先生」と呼ばれる仕事、とりわけ学校教育に関連する場所で「先生」と呼ばれる仕事を忌避し続けた。不登校をした経験は大きく、どんなに勧められても(そして大学の単位は山のように取っても)教職課程の単位だけは頑なに取らなかった>と。本筋と離れるが、ここに一番共鳴。わたしも教職課程を取らなかった……⇒2025/07/28
ちゅんさん
42
この本のタイトルを見て読まずにはいられませんでした。読んでみて働けない人、働きたくない人っているよなぁとやっぱりそうだよなぁと安心した。でもこういうことを言ってはいけない空気感が日本は強い。ほんと嫌になるよ、資本主義も労働も日本もクソだ。フルタイムで働かなくても暮らしていけるように、いや贅沢は言わないからせめてフルタイムで働けば普通の暮らしが出来るようにしてくれ、頼むから。2025/04/22
のりまき
26
「働けない」ことを甘やかしてほしくて読んだのに、がっつり戦う人でした。むしろ『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』のほうが甘やかしてくれたかな。いや、ほんと、インボイスとかどうにも腹立つことを再確認。ポイ活については、お得を求めて更なる消費を強いられるってほんとにそのとおりだな。星新一の短編、読まなくちゃ。2025/04/14
本詠み人
24
タイトルに惹かれて初読の著者さんの本を手にとった。これは...自分語り的エッセイなのかな?それとも引用文献がしっかり提示されているので学術論文?著者さんがこの本で何を伝えたかったのか、自分の読解力が足りないのか、いまいち理解出来なかった。2025/05/20
ぐっち
18
著者自身の「働けない理由」をとことん考えている一冊。マジョリティの「会社勤めで結婚して子供が2人いる日本人男性」以外にもいろんな人がいる、はふむふむと読めるが、障害年金が急に減らされたときの対応のくだりには、社会全体の問題というより著者みたいなタイプの問題のように思えてもやもやしてしまった。障害年金が出て、本がかけて、スポットバイトや塾講師もできるのであれば、働けるし暮せるのでは、と思った。2025/06/28