出版社内容情報
活版や写植からデジタルフォントへ、文字印刷が急激な変化を遂げた平成の30年間。雑誌、マンガ、CD、テレビ……多様なメディアの書体の変遷から時代を読み解く。
内容説明
写植からデジタルフォントへ。雑誌、マンガ、書籍、CD、テレビ…。さまざまなメディアの「書体」から1990~2010年代の30年を読み解く。
目次
1(文字が奏でる音楽―今夜はブギー・バック;モノローグの文法―ちびまる子ちゃん;君に紡ぐ言葉―NANA、ハチミツとクローバー ほか)
2(FROM READERS―SWITCH;ひらがなかわいい―きゃりーぱみゅぱみゅ;永遠のオルタナティブ―リラックス ほか)
3(女王の綴りかた―椎名林檎;マンガチックの秘密―アンチック体;既視感と違和感―いつものフォント ほか)
著者等紹介
正木香子[マサキキョウコ]
文筆家。1981年、福岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。幼いころから活字や写植の書体に魅せられ、“滋味豊かな書体”をテーマに各紙誌にエッセイを発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yyrn
28
文書は10.5Pの游明朝、パワポは24PのMSゴシックしか使わない部下がいる一方で、色々なサイズを様々な書体でうるさく使う部下がいたりする。気にならないのか、やりすぎが分からないのか?センスがないと一言で片づけていたが、この本で書体の持つ魅力を改めて教わり、新鮮で面白かった。▼書体に関する著述も多い作者が強く影響を受けた数々の書体(CDのジャケットや歌詞カード、マンガや雑誌で使われた書体)について、写植書体からPCフォントへの移行期にも重なる思い出とともに、その意味するモノやコトを広く深く綴っている本。2023/06/09
shikada
20
平成の30年間で、書体(フォント)がどう移り変わったか、についてのエッセイ集。雑誌や漫画、歌詞カードなどの実例が多く載っているのでイメージしやすい。同じような文章でも、くっきり明瞭な書体と、かすれた書体と、黒ベタに白抜きの文字では全然印象が違う。同じ本でも、新装版や文庫になったときに書体が変わることがある。その背景には、出版社のスタンスだったり、活版印刷・写植・DTPの変遷があったりする。2023/05/12
ganesha
5
81年生まれの文筆家による様々な書体と平成の文化。帯の「その頃の僕らを支えていたのは、こんな文字だった」に惹かれて読了。「別々の場所で、同じ体験をしていた」ジャンプ漫画、赤・青文字雑誌の書体の違い、絵本の写植などが興味深く、下書きはMSゴシックというのが印象的だった。2024/08/16
メガネねこ
2
★★☆☆☆タイポグラフィ論みたいな本を検索していて引っかかった本。タイポグラフィの歴史というよりは筆者のタイポグラフィ体験談みたいな趣だが、フォントの醸し出す雰囲気というのは本当に大切だなあと感じることができた。2025/02/26
kuu
2
ただ読むだけなら書体はなんでもよいと思うが、書体から受ける印象って大切なんだなぁ。Typographyに意味があってデザイン性があると知ったのは遠い昔のデザイン会社でのこと。モリサワの書体ブックが並んでいたオフィス・・・なつかしいな。2024/05/09