出版社内容情報
占領下日本。故郷に帰りたがっている米兵を慰めたのが、日本の芸人やミュージシャンの芸だった。言葉の通じない兵隊を笑わせ、驚かせ、時に泣かせた芸と、芸人の姿を丹念に描く。
内容説明
忘れちゃいけない芸と、芸人たちが、ここに集う!遠く故郷から離れた米兵たちを、どんな芸で慰問したのか。言葉の通じない彼らをビックリさせ、笑わせ、ときに涙させた芸とは―。
目次
第1章 米軍慰問ショーの草創と活況(米軍将兵を慰問する;占領軍への芸能「提供」;米軍慰問ショーの時空間;米軍慰問市場の繁栄)
第2章 進駐軍で色物を(モノとひとの七変化;進駐軍を笑わせる;奇術で生きた戦後)
第3章 軽業曲芸の世界(めくるめく曲芸;おどろき軽業ここにあり)
第4章 歌舞音曲とアメリカ(女と男のダンス;アメリカを歌い奏でる)
第5章 米軍慰問ショーが衰退して
著者等紹介
青木深[アオキシン]
1975年生まれ。都留文科大学教授。歴史人類学、ポピュラー音楽研究。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。著書に、『めぐりあうものたちの群像―戦後日本の米軍基地と音楽1945‐1958』(大月書店、2013年、サントリー学芸賞受賞“社会・風俗部門”)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hitotak
9
終戦後、進駐軍の米兵を慰問していた数多くの芸人たちが紹介されている。しゃべくりではなく、体を張ったコント、奇術、曲芸などを披露していた芸人とその芸を、当時の国内外の新聞、雑誌記事、回想録等を引用しつつ詳細に記述している。中には信じられないような超人技を持った芸人もおり、現代であれば一流アスリートになっていたのかも、と感じた。バンド音楽や歌い手等と進駐軍の関係についてはよく語られているが、演芸についてここまで詳しくまとめられた本は初めて読んだ。戦前から海外を巡業していた芸人も多く、その逞しさに感心した。2023/08/01
takao
2
ふむ2023/05/17
遠藤 悪
0
面白くないはずがないという内容。もっとページがあってもいい。YouTubeで画像を探しながら楽しんだ。2023/03/16
zatugei
0
戦後芸能史の空白となっていた進駐軍慰問演芸についての初めての芸能誌。当事者の生き残りを訪ねての聞き取り、当時の芸能新聞・雑誌などをたんねんに調査し、アメリカの文書館にも足を運んで調べた情報量の多さに驚く。こうした研究が今になって出てくるとは思いもしなかった。2022/11/24