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出版社内容情報
「昭和のくらし博物館」に届いた荷物。その箱に入っていた人形やままごと道具、絵日記から、高野文子と調査員が持ち主の姉妹の物語を読み解き、その記憶の世界を再構成する。
内容説明
高野文子と一緒に開けるタイムカプセル。ある日、大切に「とっておいた」ものが、いっぱい詰まった箱が博物館にやってきました。過去から委ねられたものは何?未来に手渡すものは?ものが語る「こどもの時間」に耳を傾けた、高野文子と仲間達の記録。さあ、あなたもご一緒に!
目次
玄関に荷物が届きました。
「国語ノート」(日記)を読む。
もっとよく見る。
姉妹に会いに、しいな町を訪ねます。
あたらしい荷物が届く。
展示の準備を始める。
著者等紹介
高野文子[タカノフミコ]
1957年生まれ。漫画家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムッネニーク
63
40冊目『いずみさん、とっておいてはどうですか』(高野文子/昭和のくらし博物館 著、2022年9月、平凡社) 「昭和のくらし博物館」で行われた企画展示「山口さんちの子ども部屋」の展示物や準備過程を纏めたドキュメント。 展示物は山口家という一般家庭から寄贈されたもの。ただの子どもの日記やおもちゃなのだが、それが凄まじいエモーションとなって胸に押し寄せる。 展示を担当した高野先生の柔らかな眼差しと文章が心地よい。 〈キセカエ人形はね、人に聞こえないように小声で、「さわらせてね」って言ってからつまみます〉2025/05/09
seacalf
61
子供時代に書いた絵日記や大好きだったおもちゃの数々は何度かの引越しなどでいつの間にか処分や紛失の憂き目にあう。でもいずみさんの玩具一式は綺麗に保管されていて、当時の日記と共に博物館に寄贈された。その内容が実に面白く、時代も性別も違えど自分の幼少期が蘇り、不思議と懐かしさに包まれる。お兄さんのおもちゃ類も綺麗に保管されていたらしいので、そちらも是非見てみたい。「昭和のくらし博物館」、単なるノスタルジックな気持ちに包まれるだけでなく今にも通ずる普遍的な幸せや営みの発見がありそうなので一度足を運んでみたい。2023/05/03
こばまり
47
可愛らしくてなんだか鼻の奥がつんとするのだ。決して懐古主義な方ではないが、心豊かな家族の暮らしを思って。博物館に寄贈された物たちも持ち主も、引き続き愛しまれる終の住処が見つかり幸せだ。断捨離するばかりが是ではない。2024/07/27
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
39
昭和のくらし博物館に、昭和のものを寄贈した一家にまつわる話。昭和30年代が中心なので、その頃のおもちゃなど眺めているだけでワクワクします。ここまで残せたのは、物を大事に使っていたんだな~としみじみ感じました。2022/10/24
ぐうぐう
32
東京は豊島区の山口家に長らく保管されていた玩具一式。それは、昭和三十年代に少女期を過ごした姉妹の思い出の品だ。姉妹の今は亡き母が大事に取っておいたものを、六十代になった姉妹が片付けの際に発見し、昭和くらし博物館へ寄贈したことで本書の企画は始まった。博物館で山口姉妹の品の展示をすることになり、その展示を手掛けたのが高野文子で、本書のメイン執筆者にもなっている。単に玩具を披露するだけではなく、当時の姉妹の日記をユーモアたっぷりに紹介していて(実際の手書きの文やイラストも掲載しているのが、(つづく)2025/05/21