出版社内容情報
ビートルズの「ホワイト・アルバム」と呼応する物語がゆるやかにつながる、吉田篤弘のデビュー連作短篇集、待望の復刊! 書き下ろし解説などを含む最新リマスター版。
内容説明
この世でいちばん哀しいのは、一度も語られることのなかった物語と、一度も奏でられることのなかった音楽だ。吉田篤弘のデビュー作、待望の復刊。書き下ろし解説を含む最新リマスター版!
目次
「彼ら」の静かなテーブル
ジュールズ・バーンの話のしっぽ
ジョン・レノンを待たせた男
シシリアン・ソルトの効用
閑人カフェ
私は殺し屋ではない
その静かな声
キリントン先生
小さなFB
白鯨詩人
ろくろく
フェニクス
ハッピー・ソング
ピザを水平に持って帰った日
フールズ・ラッシュ・イン
Don’t Diturb,Please 起こさないでください
著者等紹介
吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京生まれ。作家。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を続けている。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南雲吾朗
62
いつも読んだ後、心が緩くなる。日常生活のストレスなどで凝り固まっていた心がほんわりと緩くなる。吉田さんの小説はそういうモノばかりだ。私の場合、心が疲れた時に吉田篤弘氏の小説を読む傾向があるようだ。どんな薬よりも確実に効く。この前、本棚を整理していたら、かなりの数の吉田さんの小説が出てきた。あぁ、こんなに心が疲れる事があったんだなっと改めて思った。2023/06/21
あじ
34
読んだことのないデビュー作なのに、とっても懐かしい。レインコート、食堂、レコード…吉田くんの愛蔵品を見つけてはポケットに詰め込んで。甘露のような物語をひーふーみー舌で転がす。◆デビュー作の復刊2019/06/25
ひろ
25
吉田篤弘さんのデビュー作。絶版となっている単行本、文庫本を経ての再々読。読むたびに静かであたたかい空気が流れ込んでくる。古いフィルムを回しているように、映像が頭に浮かんでくる短編たち。乾いた異国情緒が漂っている。本作以降の吉田篤弘作品につながるテーマが散りばめられていて、それらを見つけ出すのも楽しい。オマケの冊子では、作中のフィンガーボウルの話のつづきが綴られていて、嬉しいような少し寂しいような。あとがきにあった増補版を待ち続けようと思う。2020/07/04
こむこむ
22
再読?デビュー作の復刊版。文庫版にさらに裏話みたいな話が追加。不思議でよくわからない話もあるけど、読んでいて心地良い。2020/06/02
あんこ
20
吉田さんデビュー作、復刊おめでとうございます。大学時代にはこの本を古本屋で探すのが大変だったので、今こうして色々な人の手に渡っているかと思うとファンとしてとても感慨深いです。このサイズだと、宝箱を抱えている気分になります。どの物語もわたしにとっては宝のような物語です。こうしてまた出会えて嬉しい。2019/06/06