内容説明
一般に「大衆小説」とされるこの作品が、発表当時から現在まで、おびただしい作家・思想家を惹きつけてきたのはなぜか?引き出された膨大な言葉をていねいにたどりながら、登場人物それぞれが人間の営みの「原問題」を問い続ける「大乗小説」(介山)の構造、方法、その魅力を鮮やかに解析する、気鋭の力作。
目次
第1部 峠のアンチノミー(世界の起源―峠の殺人;机龍之助とは何か ほか)
第2部 二つの世界の往還(二つの時間の共存;もう一つの道中記 ほか)
第3部 カルマ曼陀羅とは何か(カルマ曼陀羅とは何か;カルマの内と外―作者・作品・読者)
エピローグ―それからの龍之助
著者等紹介
野口良平[ノグチリョウヘイ]
1967年、東京生まれ。京都大学文学部卒業。立命館大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、立命館大学文学部非常勤講師、多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員。専攻、哲学・表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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