内容説明
文士・文壇という言葉が生きていた時代、編集者として長年接した作家の素顔、思い出の数々、そして「谷崎源氏」の真実―。卓抜した記憶力と観察眼で、昭和文壇の一側面を綴った待望の書。
目次
川端康成
井上靖
司馬遼太郎
有吉佐和子
水上勉
谷崎潤一郎―「谷崎源氏」の真実
著者等紹介
伊吹和子[イブキカズコ]
1929年京都生まれ。エッセイスト。京都大学文学部国語学国文学研究室勤務を経て1953年、谷崎潤一郎『新譯源氏物語』の原稿口述筆記を担当、引き続き中央公論社に入社。主に文芸書、文学全集などの編集に携わり、1984年の定年退職まで、多くの作家を担当する。著書に『われよりほかに谷崎潤一郎最後の十二年』(第42回日本エッセイスト・クラブ賞受賞)、などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Jokers38
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面白かった。2009/10/25
katta
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今では教科書に載っているような文豪達と仕事をした編集者の回顧録。なにしろ谷崎源氏を口述筆記した人で元中央公論。女性編集者の作家との付き合いは大変だったろうけれど、そのへんはさらりと流して、人となりを好意的に著している。しかしやはり谷崎との交流は密でさまざま名思いが溢れてくるようだ。大変面白かった。2009/09/04
TOKUMOTO
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編集者として、昭和を代表する作家の方々との取材旅行や、それぞれの作品の登場人物にたいする作者の感情移入とか、作中の交わされる京言葉の選択など、興味深く、面白く読了しました。谷崎潤一郎については、「谷崎源氏」の真実として、旧約、新譯、新々譯として詳しい。2021/04/23