桂東雑記〈1〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 408p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582831610
  • NDC分類 821.2
  • Cコード C0023

内容説明

京都・桂に暮らして20年。今年93歳を迎えた著者が、さまざまな出会いの場で語り、書きとめた、漢字に秘められた歴史と文化の深奥。

目次

歴史のはじめ―軍事と祭祀
京都の支那学と私
読書の思い出
東洋の文化と漢字
井上靖文化賞受賞のことば
中国における文字の成立
白川静先生にお伺いいたします
丁公陶片について
漢字の記憶
漢字の成立について〔ほか〕

著者等紹介

白川静[シラカワシズカ]
1910年、福井県福井市に洋服商の次男として生まれる。小学校卒業後、大阪の法律事務所に住み込みで働きながら夜学へ通う。35年、立命館中学教諭となる。43年、立命館大学法文学部漢文学科卒業、同大学予科の教授となり、54年、同大学文学部教授。55年、『甲骨金文学論叢』初集を謄写版印刷で発表、以後十集に及ぶ。60年、『稿本詩経研究』(三冊)を同じく謄写版で発表。これより先、阪神間の中国古典愛好者らでつくる「樸社」で講義を始め、講義録は後に『金文通釈』(全五十六輯、84年完結)、『説文新義』(全十五巻、別巻一、74年完結)として結実。70年、初の一般書『漢字』を刊行。以後、『詩経』『金文の世界』『孔子伝』などを次々と書き下ろす。81年、立命館大学名誉教授。84年『字統』を刊行、毎日出版文化賞特別賞受賞。87年『字訓』、96年『字通』を刊行。91年菊池寛賞、96年度朝日賞受賞。98年文化功労者として顕彰され、99年勲二等を受く
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りー

12
主に九十歳を越えた後の対談と講演、インタビューを収録した本。特に「文字を作るようになって、その言葉の持つ意味が変わるということはない。(中略)無文字時代の観念は、単に言葉として伝わるので、急速に変化し推移することはなかった。しかし、それが文字として定着すると、思考の基盤ができ、場所的に定着するので、文字の意味の蓄積や分化が容易になる。」は、ああ!そうか!という衝撃。人の思考は文字という定着点を得て、飛翔したのだ。また、岡野玲子さんとの対談は色々な意味で面白かった。2つの渦の話とか、あぁもぅ~皆!読んで! 2020/03/13

かりんとー

7
(県立図書館)白川氏の肉声が聞こえるようだ。縦横無尽に東洋世界を駆け巡る。岡野玲子氏との対談が特に面白い。2021/02/12

roughfractus02

6
著者が漢字を「生きた歴史」と言う時、読者は死んだ歴史とは何か?と考える。漢字を音でなく画から分析し、文字以前の古代を探る著者の方法を通すと、人間同士が交わす音と結びついた文字とは、支配者と被支配者の情報伝達を担う文字なのではないか?と想像する。春秋戦国の戦乱で散逸する古代中国の神話や民俗文化を発掘する著者の方法は、戦争によって文字が勝者側の伝達ツールになったことを仄めかす。90才を超えて書き始めたこの雑記に自らの戦争体験を記す著者は、現代の沖縄の米軍基地問題に今も継続する戦後日本の植民地化された姿を見る。2020/12/27

とし

1
ほとんど独学で古代漢字学の体系を打ち立てた白川静氏が90代になってからの講演、対談、対話などを集めた本。面白いです。特に漫画家・岡野玲子氏との対談は面白かった。2014/04/17

まりこ

1
宮城谷さんの三国志が難しく、辞書を片手に読んだ。で、漢字に興味を持ち、白川先生に至る。漢字の歴史も勿論素晴らしいが、自分の根っこにあるものを目の前に突きつけられたような、天地が逆さになったような感動があった。この本に出合えて本当によかった。2009/09/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/155085
  • ご注意事項

最近チェックした商品