内容説明
詩人クライマー遠藤甲太が綴る登山の精神史。埋もれた記録を掘り起こし、山へ向かう人々の心奥、登山哲学の森にさまよう。流麗軽快な筆致で説き明かす、秘められた登山行為の内実。
目次
1 登山史の落としもの(落としもの袋;カモシカ山行の由来;パンとおソバと山と;愛すべき山の犬たち;上空から見た登山者 ほか)
2 山と人間(アウトサイダーの系譜;クライマーとしてのW.ウェストン;アルピニスト松涛明再考;失われた記録―立田実の生涯;人間・小西政継 ほか)
著者等紹介
遠藤甲太[エンドウコウタ]
1948年生まれ。詩人・エッセイスト。12歳のときに詩作と登山・岩登りを始め、谷川岳一ノ倉沢ルンゼ状スラブ冬季初登攀、一ノ倉沢αルンゼ冬季単独初登攀、カラコルム・ラトック1峰初登頂などの記録をもつほか、海谷山塊、雨飾山、明星山など未開の岩場の開拓に取り組んだ
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感想・レビュー
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Tadashi Totsuka
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アルピニストで詩人・エッセイストの遠藤甲太氏の日本の登山史を書いた本です。 壮絶なる死。とにかく涙がとまらなくなったのが松濤明さんの死でした。 松濤明の壮絶なる死。 1949年1月6日のこと。 1月5日、松濤明と盟友有元克己が槍ヶ岳独標を越えたところで有元が滑落、登り返す力なく、松濤もともに千丈沢に下る。 1月6日、松濤の手帳の日記。 全身硬ッテ力ナシ。何トカ湯俣迄ト思フモ有元ヲ捨テル二シノビズ、死ヲケッス。オカアサン アナタノヤサシサ二 タダカンシヤ。一アシ先二オトウサンノ 所へ行キマス。2013/10/13