出版社内容情報
『論語集注』は朱子の主著であり、「新注」と呼ばれ論語の朱子学的解釈を確立した東アジアの儒学史上の中心の書。江戸儒学の伊藤仁斎、荻生徂徠の解釈も対比させ、論語解釈の真髄に迫る画期的な編集。
内容説明
朱子学という巨大な哲学体系を背景に『論語』を注解した『集注』は、以後「新注」と呼ばれ、論語受容の新地平を拓いた。仁斎の『古義』、徂徠の『徴』の注解も加え、その批判的継承の跡も辿る。
目次
論語集注巻一
論語集注巻二
著者等紹介
土田健次郎[ツチダケンジロウ]
1949年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、早稲田大学文学学術院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうきなかもと
6
全4巻から、朱子、仁斎、徂徠の詩および詩経に関するコメントを抜き書き(・∀・)2015/07/21
ゆうきなかもと
5
論語集注は朱子の論語解釈書だが本書はそれに、伊藤仁斎と荻生徂徠の論語解釈が載っている。また土田健次郎先生による日本語訳も載っている。 かなり客観的な立場で作られているため、個人で儒学を学ぶ際の基本書の一つになると思う。2015/06/08
Nemorální lid
2
「道学の「論語」解釈の統一作業の成果」(p.7)である論語集注こそ、「道学内部における朱子の思想的自己主張の書とも言える性格を持っている」(p.7)とあるように、朱熹そのものの強烈な自己主張を背景に書かれた注解書である。「儒学における道学の正統性のみならず、道学内部における朱子学の正統性の主張が孕まれている」(p.8)という言葉のように、論語の中に道学の道を拓き、新しい学の世界を創り出したのである。それこそが当著の面白味である。また、比較対象として伊藤仁斎や荻生徂徠の解釈も載せられているのも、また面白い。2018/10/23