内容説明
1937年以降の日中戦争の拡大に伴う翼賛体制をなしくずし的な「偽装転向」と捉え、自由主義者も含めた新たな転向像を提示する(全6巻の3)。
目次
第1章 昭和十五年を中心とする転向の状況
第2章 自由主義者(翼賛運動の設計者―近衛文麿;創立期の翼賛運動―有馬頼寧;翼賛運動の学問論―杉靖三郎・清水幾太郎・大熊信行;生産力理論―大河内一男・風早八十二;誠実主義と文学―山本有三)
感想・レビュー
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mstr_kk
7
お恥ずかしながら、この巻だけ読みました。1940年前後に「転向」した人々の列伝です。驚くべきことに、近衛文麿や昭和天皇まで「転向」したことになっています。権力の圧迫を受けて態度を変えさせられたら全部「転向」ということになり、この場合は「権力」とは軍のことなのですが……さすがにこのようなくくりには疑問がありました。このくくりだと、共同幻想と個人幻想が本質的に逆立するものである以上、原則としてすべての人が転向者ということになってしまいます。……まあしかし、とても勉強になる本でした。ほかの巻も読みます。いつか。2018/02/03
tkm66
0
旧版は所蔵・16年にざっと読み直し2016/01/11