出版社内容情報
「言葉の他に人間の精神を全面的に動かし得るものはない」──。古今東西の文芸への深い造詣を持つ著者が、作品を自在に渉猟しつつ綴る、至福の文学論、文章論、そして人生論。「我々は若くなる為にも年を取る他ない」という名フレーズを含み吉田健一のエッセイ中随一の人気を誇る名篇にして表題作「余生の文学」ほか、書物への愛情あふれる随想集。解説=宮崎智之
内容説明
「言葉の他に人間の精神を全面的に動かし得るものはない」―。古今東西の文芸への深い造詣を持つ著者が、作品を自在に渉猟しつつ綴る、至福の文学論、文章論、そして人生論。「我々は若くなる為にも年を取る他ない」という名フレーズを含み、吉田健一のエッセイ中随一の人気を誇る名篇にして表題作「余生の文学」ほか、書物への愛情あふれる随想集。
目次
批評と文芸時評
文章論
諷刺と笑い
書評に就て
日本文学と世界文学
時評(1~9)
文学は道楽か
言葉
批評
近代と頽廃
余生の文学
著者等紹介
吉田健一[ヨシダケンイチ]
1912年、東京生まれ。ケンブリッジ大学で学び、帰国後、翻訳家、文芸評論家、さらに小説家として健筆をふるう。『シェイクスピア』『瓦礫の中』で読売文学賞、『日本について』で新潮社文学賞、『ヨオロッパの世紀末』で野間文芸賞を受賞。77年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ex libris 毒餃子
7
吉田健一作品はたまに読みたくなりますわ。2025/03/31
おはぎ
5
ひとつひとつじっくり読む。表題の「余生の文学」はいわゆる世間における「若さ」を失いつつある今読めてよかった。解説にもあるが何度もくりかえし読んでその時々の感想を持ちたい作品。2024/01/14
Fumoh
3
吉田健一による文学エッセイ。とても面白い本で、文学・小説・評論において理解を深めるのにとても役に立つ本である。文学とは芸術なのか、文章の美しさはアートなのか? 著者はこの命題には否定的である。そもそも「文学」とは何か、「言葉」とは何か、「芸術」とは何か、あまり真剣に議論されていない場合が多い、という。著者は平易な言葉を用いるが、内容はアカデミックである。確かに「文学・芸術」というのは感覚的に用いられる言葉であるし、現状というより理想を語った言葉である。そも「芸術的な文章」とは何か、おぼつかない。2023/11/27
十文字
1
ここで吉田が提起した問題は、現在に於いても解決されていないのでは。2024/02/03
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- 和書
- ともだちになろうよ