出版社内容情報
権力にNO! 自由にLOVE! 大正初期のアナキスト大杉栄の傑作集。閉塞感が漂う現代にこそ生きる、大杉の魂。2023年は没後100年。
内容説明
明治から大正期に活動したアナキスト、大杉栄は社会の問題を常に考え、もがき、格闘し、人を、そして命あるものすべてを愛した。一九二三年に国家権力によって抹殺された大杉。百年が経過した現在もなお、一部の層による支配、差別や貧困問題、やりがい搾取、同調圧力など、大杉が打破しようとしていた課題が世の中にはびこっている。そんな時代に触れたい、大杉の魂の言葉。
目次
創作
アナキズム
民衆芸術論
生物学
アナキストどんなひと
労働運動論
ロシア革命論
著者等紹介
大杉栄[オオスギサカエ]
1885年香川県生まれ。社会運動家、アナキスト。東京外国語学校仏語科卒業。幸徳秋水らの影響を受け、社会運動に参加。『近代思想』や『文明批評』などを創刊し、無政府主義を論じた。主な著書に『自叙伝』など。クロポトキンやダーウィンの著書の翻訳も手掛けた。1923年9月1日の関東大震災に際し、伊藤野枝、甥の橘宗一とともに虐殺。享年38
栗原康[クリハラヤスシ]
1979年埼玉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程満期退学。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かんがく
10
大好きな栗原康が解説を書いていたので、以前から気になっていた大杉栄の思想に触れる。アナキズムの立場からボルシェビキの労働者独裁を批判するが、想像していたよりは穏健。哲学や経済の話の途中に生物学の話が入ってくるのが独特だった。2024/01/13
メルキド出版
5
「生の拡充」「鎖工場」
Fumoh
2
アナキスト大杉栄。「支配」を何よりも嫌った大杉の思想というか人格観を見ることができる。わたしは自分が高校生のころを思い出した。あれをやれ、これをやれ、と言われ続けて(進学校だった)、そんなんじゃ将来ダメな大人になるぞと言われ「それってどういうことですか? ダメな大人ってなんですか?」と言ったら何を生意気な、と言われ……そんな権力闘争の環境に大学生以降もいたら、きっとわたしも大杉のようになっていたと思う。その時に感じていた、殻を打ち破っていくような感覚、その陶酔、生きているといった感情、それが大杉の求めて2024/01/04
メルキド
0
「生の拡充」「鎖工場」