内容説明
「泉のやつ、またはじまった」と仲間にいわれるほど無類のおばけずき。長短篇小説や戯曲で名高い鏡花だが、一方で怪異にまつわる小品群もまた格別に味わい深い。小説をはじめ、随筆・紀行、創作とも実話ともつかない逸品まで、喜々として異界に遊ぶ鏡花文学の知られざる真髄を編む。
目次
1 序篇(おばけずきのいわれ少々と処女作)
2 小説篇(夜釣;通い路;鎧;五本松;怪談女の輪;傘)
3 随筆篇(露宿;十六夜;間引菜;くさびら;春着;雛がたり;城崎を憶う;木菟俗見)
4 百物語篇(黒壁;妖怪年代記;百物語;百物語(「雑句帖」より)
赤インキ物語
春狐談
『新選怪談集』序
『怪談会』序
一寸怪
妖怪画展覧会告条
除虫菊―「身延の鶯」より)
5 談話篇(柳のおりゅうに就て;たそがれの味;怪異と表現法;事実と着想;旧文学と怪談;古典趣味の行事―「七夕祭と盆の印象」)
著者等紹介
泉鏡花[イズミキョウカ]
1873年、石川県金沢市生まれ。本名鏡太郎。真愛学校(のち北陸英和学校と改称)に学んだ後、小説家を志して1890年に上京、1年余の放浪を経て尾崎紅葉に師事する。1895年、『夜行巡査』が出世作となり、『高野聖』などで熱狂的な読者を持つ人気作家に
東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年、神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学文学部卒業。「幻想文学」編集長を経て、怪奇幻想文学の評論家、アンソロジストに。現在「幽」編集長。著書に『遠野物語と怪談の時代』(角川選書、第64回日本推理作家協会賞評論その他部門受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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