内容説明
デモのない社会には、生きた思想は生まれない。半世紀にわたる自身の知の軌跡と実践を通して、「動く集会」=デモの重要性を語る。原発震災後に行われたインタビューも収録。自らの思想のエッセンスをやさしく語った本書は、『トランスクリティーク』『世界史の構造』などの近年の理論的著作への入門としても最適。
目次
第1部 政治を語る(六〇年安保闘争と全共闘運動;思想家として歩む;現状分析;文学の話)
第2部 反原発デモが日本を変える
第3部 デモは未来のための実践
著者等紹介
柄谷行人[カラタニコウジン]
1941年、兵庫県尼崎生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院英文学専攻修士課程修了。1969年、「意識と自然―漱石試論」で第12回群像新人文学賞を受賞。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
37
ダイアローグの語り口が率直で、内容云々はともかく分かり易いのは発見だった。デモと全く関係ない話も沢山しているのだが、概ねレビューの受けが良いのは、言葉の向こう側に人間性が浮かび上がっているようにみえるからだろう。印象に残ったのはデビューから「探究」くらいまでの自身の仕事の変遷だった。この経緯の最後の方で浅田彰がチラッと登場する。ふたりの仕事の厚みの違いを再認識する。他方でNAMや『批評空間』をやめた辺りの話は避けていて、実務能力が無い無責任な態度は残念だ。主語が大きいと、多弁なのは右派も左派も変わらない。2023/01/21
さきん
21
よく読むべき日本の哲学者として名前が上がっていたが、マルクス、左派、リベラルのイメージに加え、どの本から読めばよいかいまいちイメージつかめなかった。本書はインタビューを通したガイドの役割を果たしていて、読みやすかった。資本論が基礎にあるとはいえ、資本主義を肯定しており、贈与、交換という経済学外の視点をもっていた。一方で、国家を超えた共同体をイメージしたり、デモの意義を説いたりしていて、リベラルな印象を受けた。2025/01/12
またの名
18
デモをすればデモをする社会に変わるという屁理屈度の高い名句が背景に持っている思考と経緯を、明解に回答。60年安保闘争時デモ参加者に日当が払われてたとの非難が見過ごしてるのは、柄谷氏の述懐によれば休日以外で参加してる労働者の賃金がカットされるのは当たり前なので組合が積立金を用意していた、自明の理。しかし国鉄解体→組合解体→社会党消滅が順調に進んで(労働者サイドの組織が消えたらブラック企業蔓延は必然)その他有力な中間共同体も無力化された今、にも関わらずそれゆえに共同体の再創造は容易と言う。示唆する所は多い本。2017/10/21
yamahiko
16
隠喩としての建築と格闘していた過去の自分を懐かしく感じました。こんなに柔らかな言葉を使う人だったのですね。氏の著書を読み返す際の補助線としたいです。2020/01/11
呼戯人
11
柄谷の学生時代から現在にいたるまでの思想遍歴がやさしい言葉使いで説明される。異議申し立てをデモによって可能とする社会の在り方を模索する柄谷の巨人的な歩みが回想される。交換様式論に基づく彼の思考がカッコ付きの「社会主義」であること、ケインズ主義的な消費によって需要を掘り起こし経済成長を目指す社会を否定する柄谷の目指すところは、協働組合による支配のない社会主義なのだということがはっきりと認識できる。社会民主主義も福祉国家もはっきりと否定し、資本ーネーションー国家を越えてゆこうとする彼の思想が未来を拓く。2018/04/29




