内容説明
文学におけるマニエリスムの展開の諸相とその本体を、ヨーロッパ世界の厖大な作品のうちに追い求め、レトリックや文体論、神秘主義や錬金術、その他多種多様な領域を精神史的洞窟学が探査するとき、解体し断片化する世界と時代の別の光景が立ち現われる。美術史の局所からこの概念を解放し、精神史的“常数”にまで鍛造した鬼才ホッケの、種村季弘翻訳になるこの圧倒的書物、待望の再刊。『迷宮としての世界』姉妹篇。
目次
第1部 魔術的文字(変則的なものの伝統のために;ヨーロッパの隠れた緊張の場;言語的二重生活;変則詩;組み合わせ術;魔術的詭弁)
第2部 形象のなかの世界(隠喩至上主義;魔神の呪縛;ゴンゴリスモ、マリニズモ、プレシオジテ;シェイクスピアの変形;形象の機智;ドイツの理性芸術)
第3部 異・修辞学と綺想主義(錬金術と言葉の魔術;意識的なまやかし;効果のメカニズム;美の公式;マニエリスモの綱領起草者たち;謎術としての寓意画法)
第4部 芸術的虚構としての人間(音楽主義;ジェスアルド・ダ・ヴェノーサからストラヴィンスキーまで;音楽のカバラ学;ダイダロスとディオニュソス;マニエリスム的演劇;迷路小説;叙事詩的怪物)
結論部 マニエリスム的テーマとしての人間(神性の夜の側;白い神秘思想と黒い神秘思想;決疑論と放縦主義;神の発明家;十字の徴)
付録 ヨーロッパの綺想体―ミニアチュア‐アンソロジー
著者等紹介
ホッケ,グスタフ・ルネ[ホッケ,グスタフルネ][Hocke,Gustav Ren´e]
1908‐85。ドイツの文筆家、文化史家
種村季弘[タネムラスエヒロ]
1933年、東京生まれ。東京大学文学部卒業。ドイツ文学者、評論家。2004年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マウリツィウス
A.T
∃.狂茶党
ラウリスタ~
三柴ゆよし
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