内容説明
人間と動物が交錯する未決定な例外状態の閾を、バタイユのアセファルから、コジェーヴのスノッブ、ユクスキュルのダニ、ハイデガーの倦怠へと縦横無尽に描き出す、生政治の超克と人類学機械の停止へむけた壮大な系譜学。“剥き出しの生”のさらなる探究。
目次
動物人
無頭人
スノッブ
分接の秘儀
至福者たちの生理学
経験的認識
分類学
序列なし
人類学機械
環世界
ダニ
世界の窮乏
開かれ
深き倦怠
世界と大地
動物化
人類創生
あいだ
無為
存在の外で
著者等紹介
アガンベン,ジョルジョ[アガンベン,ジョルジョ][Agamben,Giorgio]
1942‐。哲学者・美学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
風鈴の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ココロココ
22
やはり難解。 蜜に夢中になっているミツバチのお腹を切っても、お腹を切られたことに気づかないというのが怖い。 人のように痛みを感じないのか? もう一回読まないと理解できないが、読む時間がない。2017/02/13
しゅん
16
國分功一郎『暇と退屈の倫理学』はアガンベンの理論を日本人の日常に当てはめて展開した本だったんだなぁ。人間の深い倦怠感とどう付き合っていくかという問いをハイデガーから受け継いでいる点やユクスキュルのダニの環世界の話が出てくるところなんて正に。『言葉と死』を読む限り人間の動物化は歓迎されないものとして書かれてた印象だったけど、本書では「存在する」ことを意識しない動物になることが肯定的に描かれている感じがして、若干混乱している。2017/09/05
Z
11
名著名著名著!!!!普通に面白い。冒頭、ヘーゲル講義後、世界対戦突入、ソビエト旅行、アメリカ旅行、日本を旅行するたびに思想をコロコロ変えるコジェーブが書かれ『ヘーゲル読解入門』真面目に読む必要ないじゃないと爆笑。その後メインとなるのは動物/人間を分割するハイデガ-の思考を丹念に追うこと。137ページにそれまでの要約がご丁寧にも書かれるという神対応、ヘーゲル、ハイデガーを芸術、詩、哲学が共同体の運命なりを呈示する20世紀で終わったパラダイムとかなり説得力をもってバッサリ切りつけたのちの、ベンヤミンをもちだし2017/01/31
有沢翔治@文芸同人誌配布中
9
アガンベン初挑戦。人間と動物の違いは? 一見自明に見えて、アウシュビッツなどの経験を減ると、難しい問いに変わる。ユダヤ人は「家畜」以下の扱いを受けてきたのだから!2017/01/01
zumi
9
「早く人間になる」ことを目的とした、ゼミの必読書としてはピッタリだと思います。がおー(訳:よくわからんかった)2014/05/07