平凡社ライブラリー<br> 絶対製造工場

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平凡社ライブラリー
絶対製造工場

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  • サイズ 文庫判/ページ数 287p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582767063
  • NDC分類 989.53
  • Cコード C0398

内容説明

一人の男がひょんなことから、わずかな燃料で膨大なエネルギーを放出する画期的な器械「カルブラートル」を発明した。だがこの器械はエネルギーだけでなく、あらゆる物質に封印された「絶対=神」をも解放してしまう恐ろしい器械だった。やがて目に見えない絶対が世界中に溢れ、人々を未曾有の混乱に陥れる―『ロボット』『山椒魚戦争』の作者による傑作SF長編。兄ヨゼフによる挿絵付。

著者等紹介

チャペック,カレル[チャペック,カレル][Capek,Karel]
1890‐1938。北東ボヘミア(現在のチェコ)の小さな鉱山の町、マレー・スヴァトニョヴィツェに生まれる。プラハのカレル大学で学んだ後、ベルリンとパリに留学、帰国後の1916年頃から創作を開始し、1921年に『リドヴェー・ノヴィニ(人民新聞)』社に入社、生涯、ジャーナリストとして活動した。その一方で、戯曲・小説・評論・童話なども執筆、幅広いジャンルで秀作を残す

飯島周[イイジマイタル]
1930年、長野県に生まれる。東京大学文学部言語学科卒業。1967年以降、数度にわたりチェコのカレル大学に留学。言語学専攻。跡見学園女子大学名誉教授。2009年、チェコ文化普及の功績により、同国政府から勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

86
お気に入りの方のレビューを見て、初めて本作を知り読んだ。何これ凄い! チャペックの最高傑作じゃない? ってなるほど序盤は楽しくて仕方なかったけれど、中盤以降は何ともまとまりがないような。ただ、これはチャペックが伝えたいことを書きたい人であって、完成された物語を書きたいわけではなかった、ということなのかな、なんて思う。人間は不完全で悪癖だらけで、だから綺麗な物語になんか仕上げようがないけれど、でもそれでも常に希望を忘れないように。鋭い皮肉と風刺に埋め尽くされながらも一筋の光が差しているような作品だった。2022/09/29

まりお

40
とある技術者が作った、少ない燃料で膨大なエネルギーを得られる「カルブラートル」。しかし得られるのはエネルギーだけでなく、「絶対」と呼ばれる神そのものも解放するのだ。そして絶対を浴びた人間は、まるで聖人にでもなった振る舞いをし始める。これだけで終われば平和だったのだが、この世界にはありとあらゆる宗教と神様がいる。神を得たことで戦争が起きるとは、いつの時代も変わらないものだ。そんな時代も、そんなことあったな、で終わるのも人らしいと言うか。2017/08/20

ビイーン

36
膨大なエネルギーを生み出す画期的な器械「カルブラートル」から副産物として開放された「絶対=人造神」は、世界中に溢れて人類を混乱に陥れ戦争が勃発する。この独創性からスピノザの汎神論みたいなものに繋がっていくところがとても面白いと思うが、これはチャペックの代表作の中でも失敗作と言われている。本書が発刊されてから100年近くになるが、世界は変わらず自分の信ずる「絶対」に囚われ争い血を流す。人間が不寛容である限り作者が訴えた意義は失わないだろう。2018/10/27

KI

28
この世界に絶対など絶対に存在しない、なんてことは絶対にない。2019/07/10

meg

24
カレル・チャペックだいすき。2024/09/17

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