内容説明
聖人や殉教者の言行や生涯を神話化した聖人伝説。このキリスト教の空想力が生み出した神話・説話文学の一大ドラマは、ヨーロッパが自らの精神のために絶えず養分を汲み取ってきた源泉である。本書『黄金伝説』は聖人伝説の白眉、ヨーロッパ文化を理解するための基本文献。聖ヒエロニュムスから始まる本巻には、聖女マルガリタ、聖ディオニュシウス、聖女エリサベトなどを収める。
目次
聖ヒエロニュムス
聖レミギウス
聖レオデガリウス
聖フランキスクス(フランチェスコ)
聖女ペラギア
聖女マルガリタ
遊女聖タイシス(タイス)
聖ディオニュシウス
聖カリクストゥス(カリストゥス)
福音史家聖ルカ〔ほか〕
著者等紹介
ウォラギネ,ヤコブス・デ[ウォラギネ,ヤコブスデ][Voragine,Jacobus de]
1230頃‐98。ジェノヴァ近郊ヴァラッツェの生まれ。ドミニコ会士。ロンバルディア管区長を経て、ジェノヴァ市第8代大司教(1292‐98)。神話文学としての聖人伝説は、カイサリアの司教エウセビオスの『教会史』(4世紀)を嚆矢とするが、多くの聖人伝作者の手によってさまざまな異教伝承や土俗信仰を摂取しつつ、福者ヤコブス・デ・ウォラギネが集成した『黄金伝説』においてみごとに結実する。中世において聖書とならびもっともひろく読まれた書物としてキリスト教的ヨーロッパの教化に役立ち、造形芸術のもっとも重要な霊感の泉となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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