内容説明
北京を毛細血管のごとく縦横に走る路地・胡同は、長年、人びとの喜怒哀楽を静かに見守ってきた。中庭を囲んだ伝統家屋・四合院、山積みの練炭、壁にもたれる自転車、雨後の匂いを湛えた路面のつや…モノクロで切り取られた101枚の裏道の風景は、北京人が北京の魅力を再発見した記念碑的な写真群である。
著者等紹介
徐勇[ジョユウ]
1954年、上海生まれ。78年、洛陽工学院卒業。86年、北京師範学院卒業。エンジニア、広告カメラマンなどを経て、90年、『胡同101像』、を刊行。93年、北京胡同文化游覧有限公司を創立、胡同の文化を紹介する活動を通し、北京の胡同の保存に貢献
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感想・レビュー
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Bo-he-mian
12
お手軽な文庫サイズでハードカバー。中国・北京の下町に張り巡らされた路地裏の町「胡同(フートン)」の写真集。写真家で著者の徐勇氏は、この胡同ブームの立役者の方らしい。'89年、日本の都市のように古い町はどんどんスクラップ&ビルドせよという風潮一辺倒だった北京で、消え逝く路地裏の風景をフィルムに焼き付けた。戦勝直後のアメリカが「プア・ホワイト」の存在を世界に対して伏せていたように、当時の中国もまた胡同は発展から取り残された北京の恥ずべき部分と考え、大手の出版社はみな写真集の出版を躊躇したという。2021/01/26
ジュースの素
6
まだ胡同が多く残っている92年に初めて北京に行った。徐勇氏のモノクロの写真が当時の狭い路地の姿を克明に写している。古びたレンガや瓦には草が生えていた。入り口には赤い縁起物の紙が両側に貼ってあった。何とも言えない北京の風情が大好きだった。中国将棋をする老人たちの姿もあった。五輪の際、ずいぶん壊されて中心街には少なくなったが、イスラム地域の牛街(ニウジェ)に行くとそこには思いの他 残っていた。が、あちこちに折の字がチョークで書かれていた。政府の取り壊し命令だ。貴重で大事な本。2016/10/27
及川まゆみ
5
ちょうど撮影時期に中国に行っていたので懐かしい気分になる。が、もう胡同は取り壊されているところが多く、残念。古き良き北京だ。カラーでも見たかった。2013/10/15
及川まゆみ
2
再読。やっぱりカラーも見たい。2021/07/28
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