内容説明
漢字はどのようにして生まれたのか。甲骨文字・金文資料を駆使して、「神話」「呪詛」「戦争」「宗教」「歌舞」などの主題ごとに、漢字のもつ意味を体系的に語る。古代人の思考に深くわけ入り、漢字誕生のプロセスを鮮やかに描出した、白川文学の真骨頂。
目次
第1章 文字原始
第2章 融即の原理
第3章 神話と背景
第4章 異神の怖れ
第5章 戦争について
第6章 原始宗教
著者等紹介
白川静[シラカワシズカ]
1910年、福井県生まれ。立命館大学法文学部卒業。立命館大学名誉教授
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感想・レビュー
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Tomoichi
18
難し過ぎてどこまで理解できているかわからないけど、漢字から支那の古代を読み解くのは凄いの一言。やっぱり白川静先生は凄いです。巷にある「本当は怖い漢字」的な本は白川先生の著作を参考にしているんだろうな。2020/05/27
roughfractus02
5
漢字の成り立ちは象形、指事、会意、形声の4種とされる。前3者は甲骨文・金文に多く、その後形声が多く作られたという。著者は、この4者を未開/文明の度合いにかけ、特に前3者に文明以前に長く続いた未開社会の記憶の集積の「残映」が留められていると捉える。本書は考古学、人類学、民俗学の視野から漢字を画として扱い、画が文字になる過程から、使用する社会の構造(自然との霊的交流)や使用者の階層(巫祝者)の存在を「発掘」する。これら画は、境界では呪禁の法に用いられ、壮大な儀礼では楽(音楽)の極みを表して文字となったという。2020/12/22
GEO(ジオ)
1
ちょっと難しい内容だったかも?2014/01/28
斑入り山吹
0
魔術の宿った字だ、と思った。何度でも読み返したい本。2009/03/05
hachiro86
0
神と人が交信していた時代の面影2009/06/17