内容説明
神秘のヒロインの光と翳。横浜の可憐な少女は、栄光の日本映画のヒロインとしていかに生きぬいたか。一九三五年のスター誕生から六二年、銀幕を去るまで―昭和女優史最高のヒロインの軌跡。
目次
伝説の誕生
お節ちゃんの夢
ナチス・ドイツと『新しき土』
「大根女優」と呼ばれて
戦争と女優
敗戦後の再出発
「永遠の処女」の輝き
翳り
最後の挑戦
引退の謎
著者等紹介
千葉伸夫[チバノブオ]
1945年、中国・錦州省に生まれる。早稲田大学大学院演劇科修士課程修了。ノンフィクション作家、明治学院大学講師。著書に、『映画と谷崎』『チャップリンが日本を走った』(ともに青蛙房)、『原節子伝説』(翔泳社)、共著に、『小津安二郎を読む』(フィルムアート社)、『昭和文化I・II』(勁草書房)、編著に、『監督山中貞雄』(実業之日本社)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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misui
5
原節子評伝。こうして見ると、内と外のギャップが原節子の魅力であるとともに彼女を苦しめた部分でもあり、それは女優業の恐ろしさを顕にしていると思う。戦前からテレビの登場によって衰退を辿るまでの日本映画史としても興味深い。2016/01/24
Gen Kato
3
ハードカバー版を読んでいたのだが、以前とはだいぶ違う印象で読み終える。こちらが引退時の原節子より齢上になったせいかもしれない。女優という職業を選び、独り身で年を重ねていく彼女の覚悟が痛切に迫って来る。彼女が生きた時代は現代よりもっと偏見も同調圧力も強かった(今なお強いが)のだ。そしてなにより戦争があった…2017/12/02
fritzng4
1
雑誌記事や自伝など、女優本人の発言を重視して構成された原節子評伝。小津映画によって決定づけられた原節子のイメージと、映画を離れた彼女の率直な物言いや水泳・乗馬を楽しむ快活さの対比。若き日の渡欧渡米旅行のことも知らなかったし、なかなか面白く読んだ。2013/09/01
ヨイドレテンシ
0
そういえば原節子って今何歳?(答え1920年生まれ)と思って、書庫から引っ張り出す。2009/10/31