内容説明
「歴史家というものは、常に臨機応変、時代・時間を逆行したり、横すべりしたりして、時にはちょっと時計の針を止めたりして、自在にとび廻っている人間のことである」歴史の細部に目を凝らし、博い知識をもってヴィヴィッドに語る林達夫の学問のスタイル。
目次
歴史の暮方
精神史
社会史的思想史 中世
古代思想史の課題
唯物論の歴史
宗教について
邪教問答
思想の文学的形態
主知主義概論
ベルグソン的苦行
ベルグソン以後
上品な笑い 健康な笑い
ヴォルテール『哲学書簡』あとがき
事故を語らなかった鴎外
島崎藤村
『ベルツの日記』
三木清の魅力
三木清の思い出
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
呼戯人
8
林達夫という哲学者が、活躍していたのは戦後40年くらいまでのことだが、私は大学生のときに著作集全6巻を購入し、一生懸命読んだ。こんな風に優雅に学問に打ち込めたら幸せだろうなという思いを強くした。精神史は、その林達夫の学問の集大成ともいうべき傑作である。一生を貫いて、ルネサンスの精神史に打ち込んだ彼の学問の結晶である。レオナルド・ダ・ヴィンチは、その華やかなイメージと異なって、死への思いに浸された洞窟のイメージの画家なのだということが万巻の書の引用によって例証されていた。2015/10/04
goldius
0
「国家は支配階級が被抑圧階級に及ぼす支配と抑圧とを維持する機関である」2007/06/25
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